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大学院未来材料創成工学専攻・井上圭一助教が平成26年度分子科学研究奨励森野基金を受賞しました。

2014年09月18日掲載


大学院未来材料創成工学専攻・井上圭一助教が平成26年度分子科学研究奨励森野基金を受賞しました。本賞は故・森野米三東京大学名誉教授の拠出により設立された分子科学研究奨励森野基金から、分子科学分野で将来を嘱望される若手研究者について、これまでの業績を基に、毎年2~3名程度を対象に贈られるものです。そして今年は8月29日、東京大学・小柴ホールにおいて授賞式が執り行われました。

今回受賞の対象となった研究題目は「先端的分光法によるロドプシンタンパク質の光誘起機能発現メカニズムの解明」で、長年にわたる光受容タンパク質であるロドプシンの分子的な動作機構解明についての研究が評価されたものです。主たる研究対象とするロドプシンは光のエネルギーを使って、イオンの輸送や、細胞内シグナル伝達、遺伝子発現制御などを行う膜タンパク質ですが、どの様にしてこのように多様な機能が達成されるのか、そのメカニズムのほとんどはいまだに分かっていません。それに対して、レーザー分光を中心とした、数々の先端的な分光法を適用することで、10種類以上のロドプシンについて化学反応素過程を調べることにより、複雑なタンパク質のどの部分が機能発現に重要かを明らかにしてきました。また昨年は本学から同専攻の神取秀樹教授と共に、世界に先駆けて光でナトリウムイオンを輸送するロドプシンについてもその存在を明らかにすると共に、輸送メカニズムについてもいち早く多くの知見を発表しました。これらの成果は光受容タンパク質の基礎研究的な意義だけではなく、近年世界的に注目されている、神経の光操作技術であるオプトジェネティクスへの応用においても重要な知見を与えると考えられています。そしてこれら多くの研究成果と将来に対する期待から、本賞の受賞に至りました。

これまで本賞を受賞された研究者は、分子科学の分野において正に日本を牽引する研究を世界に発信し続けており、本学における研究についても今後の展開が大きく期待されます。

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この情報は研究支援課が提供しています。

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