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柴田哲男教授Chemical Reviews誌に掲載

2014年11月 4日掲載


Chemical Review掲載

受賞者
柴田哲男教授
受賞者の関連サイト
Chemical Reviews誌

共同ナノメディシン科学専攻・未来材料創成工学専攻柴田哲男教授の総説が, Chemical Reviews誌(IF = 45.661)に掲載されました。Chemical Reviews誌は米国化学会が発行する総説誌で1924年より刊行されている。化学分野全領域をカバーし,化学総説の中で最高峰に位置づけられている。インパクトファクターは45.661と他誌を圧倒する。この論文は柴田教授の他,研究員Xiu-Hua Xu博士と松崎浩平氏(博士後期課程一年)との共著論文で"Synthetic Methods for Compounds Having CF3-S Units on Carbon by Trifluoromethylation, Trifluoromethylthiolation, Triflylation, and Related Reactions"という題目で掲載されている。柴田教授の得意とするフッ素化学に関するものだ。彼らは,薬づくりに欠かせない硫黄原子とトリフルオロメチル基の二つを併せ持つ有機化合物,"SOnCF3化合物"について包括的な総説を書き上げた。SOnCF3化合物は高い脂溶性と強い電子求引性をもつ魅力的な分子でありながら,その網羅的な合成手法を示した総説はこれまで存在しなかった。本論文は,2013年末から過去50年に及ぶSOnCF3化合物の全ての合成法を化学構造に分類しまとめ上げたもので,引用文献468件,34ページからなる大作である。その内容の高さが評価され, Chemical Reviews誌への掲載が決定した。医薬だけでなく,農薬,機能性材料の分野で活躍する化学者にとっても重要な論文になる可能性が高く,本総説は新たな「ものづくりの発想」創出に一躍担うであろうと期待される。