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国際化推進事業報告会が開催されました

2013年05月29日掲載


 学生、教職員が海外の企業や高等教育機関、研究所を訪問し、国際インターンシップ又は教育研究活動に従事する取り組みを支援し、また、外国人留学生に対する経済支援を行い、大学の国際化の基盤づくりを強化・推進するために国際化推進事業が実施されました。

 平成24年度採択事業では計30名の学生が7ヶ国にて研修を行い、また、先日、その取組事業ごとの代表学生による報告会が開催されました。

平成24年度 第1次(学年は派遣時のもの)

報告会:平成25年5月29日(水)

1 第一部情報工学科3年 村松晃司 Koji Muramatsu

派遣国:フランス

派遣先組織:EFREI

派遣期間:平成25年3月28日~平成25年4月10日

活動内容:EFREI留学

EFREIでは「フランス語」、「経営工学」、「コンピュータサイエンス」の3つの分野について学びました。フランス語の講義では、基本的な文法と日常会話について学びました。また、屋外活動では実際にフランス語を使用して現地の人と交流しました。経営工学の講義では、さまざまなマネジメントの手法について学び、ケーススタディの演習を行うことで手法の応用例について学びました。コンピュータサイエンスの講義では、UMLやダイアグラムなどの実際のプロジェクトで使用されるツールについて学び、それらを用いてチームでプロジェクトを計画し発表しました。どの講義でも、日本とは違い講師が生徒と対話することを重視していたため、積極的に質問等をすることができ、とても良い経験となりました。

H24報告会 017(村松)(HP掲載).jpg

2 大学院博士前期課程未来材料創成工学専攻1年 森川博史 Hiroshi Morikawa

派遣国:ドイツ

派遣先組織:Friedrich-Schiller-Universitat Jena、Otto-Schott-Institut

派遣期間:平成24年11月12日~平成25年2月7日

活動内容:マグネシウム置換したインバートリン酸塩ガラスとメタリン酸塩ガラスの調査

多くのリン酸塩ガラスが溶液に溶解することが知られており、生体材料として研究が盛んに行われています。本研究では、P2O5-CaO-TiO2系のインバートガラス(以下PIG10)やメタガラス(以下MPG)のカルシウムを部分的にマグネシウム(Mg)と置換したガラスの結合強度などと構造がイオン溶出について調査を行いました。Mgイオン濃度は、骨強度に影響するという報告があります。また、Mgイオンは骨形成に促進することが知られています。結果より、Mg含有リン酸塩ガラスのイオン溶出挙動について、インバートガラスやメタガラスとの間で顕著な違いが見られ、PIG10ではMg置換量が増加するにつれて増加し、MPGでは減少しました。これは、リン酸塩ガラス中のリン酸グループの状態の違いによるもので、Mg置換量が増加するにつれて、PIG10では全てのリン酸グループ(Qp0、Qp1やQp2)に帰属される結合の強度の低下が示唆されたが、MPGでは架橋酸素を含むQp2グループに帰属される結合の強度のみ変化が見られたためです。

H24報告会 025(森川)(HP掲載).jpg

3 大学院博士後期課程情報工学専攻1年 大塚孝信 Takanobu Otsuka

派遣国:アメリカ合衆国

派遣先組織:カリフォルニア大学アーバイン校

派遣期間:平成25年2月19日~平成25年4月1日

活動内容:近年、M2M(Machine-to-Machine)と呼ばれる、あらゆる機器同士が人間を介さずにコミュニケーションしながら動作し、目的に合わせ機器がお互いに再構成し合うことで与えられた目的に沿って動作するシステムの研究が盛んです。しかし、ほとんどのM2Mネットワークでは、センサや無線通信規格は一度選択してしまうと変更することは困難です。また、ソフトウェアについても共通化されたものではなく、既存のセンサネットワークへ新しいセンサを追加するのは大変困難であり、M2Mとしての役割を果たすことができません。我々は、これらの問題を解決すべく、センサノード上にミドルウェアを組み込むことで多種多様なセンサの接続や異なる無線規格への適応を容易に行うことができるソフトウェアを開発しています。

H24報告会 030(大塚)(HP掲載).jpg

4 大学院博士前期課程未来材料創成工学専攻1年 矢野晃啓 Akihiro Yano

派遣国:アメリカ合衆国

派遣先組織:フロリダ大学

派遣期間:平成24年11月1日~平成25年1月31日

活動内容:ルチルとアナターゼを用いた2層構造可視光応答性光触媒の作製

近年、院内感染やカビの発生等が多発し、深刻な健康被害を引き起こしています。これらは有機物で形成された有害物質が原因であり、除去方法の1つとしてTiO2の光触媒作用を用いた有害物質の分解が挙げられます。光触媒は励起波長以下の波長を照射されると光酸化反応を示し、有機物を分解します。しかし、TiO2は励起波長400nm以下の短波長で高い光触媒活性を示すため、上述した状況下で光触媒活性を発現させるためには可視光域に応答する改善が求められます。よって、本研究では、基板上に結晶形態の異なるルチルとアナターゼを順に塗布し、二層構造を形成させ可視光域応答型光触媒を作製しました。この試料に有害物質モデルとして染料を滴下し400nm以下の波長を除去できるフィルターを通して太陽光を照射した結果、48時間で有害物質モデルを50%分解することに成功しました。

H24報告会 034(矢野)(HP掲載).jpg

5 第一部生命・物質工学科4年 平等尋巳 Hiromi Taira

派遣国:フランス

派遣先組織:ルーアン大学

派遣期間:平成24年11月13日~平成24年12月13日

活動内容: フッ素原子は全原子中で最も電気陰性度が高く、水素に次いで原子半径が小さいといった特徴的な性質を有するために、医農薬品や機能性材料に多く含まれています。フッ素原子が3つ含まれるトリフルオロエチル基もまた重要な官能基の一つですが、未だ簡便な導入法の開発は行われていません。そこで、今回の派遣先では、トリフルオロエチル化試薬の設計・合成を行いました。続いて、合成した試薬を用いてトリフルオロエチル基導入法の開発を行いました。具体的には、イミンに対するマンニッヒ反応を検討し、溶媒や塩基といった条件を種々検討することにより、目的の含トリフルオロエチル化合物を得ることに成功しました。

H24報告会 039(平等)(HP掲載).jpg

平成24年度 第2次(学年は派遣時のもの)

報告会:平成26年2月19日(水)

6 大学院博士前期課程情報工学専攻1年 神谷昌平 Shohei Kamiya

派遣国:フランス

派遣先組織:ESIGELEC

派遣期間:平成25年8月30日~平成25年10月2日

活動内容:現在の医療現場において、X 線 CT 画像のような医用画像を一枚一枚精査する医者の負担は極めて大きく、また、医用画像処理は放射線医学において重要な役割を果たしています。よって解剖学的臓器への医用画像領域分割は重要であり、患者毎の臓器多様性のために、その位置や形状の統計モデルが必要となります。この統計モデルを医用画像に位置合わせすることで臓器領域分割が可能となります。統計モデルは学習データ集合から構築されるが、問題の一つとして、倫理上の問題から十分な学習データの収集は困難です。そこで本研究では、既存モデルと比較してより普遍的な性能を持つ階層的統計モデルを提案します。臓器表面を複数のクラスタに分割し、隣接クラスタに領域の重複を許容します。このモデルでは、各クラスタ内のモデルは下位層で、各クラスタの関係は上位層で表現されます。本手法では、一般化確率伝播法により形状の事後確率分布を推定することによって、階層モデルを画像へ位置合わせをします。

IMG_0026(神谷)(HP掲載).JPG

7 大学院博士前期課程創成シミュレーション工学専攻1年 上間鉄平 Teppei Uema

派遣国:アメリカ合衆国

派遣先組織:プリンストン大学、ライザー+ウメモト事務所

派遣期間:平成25年5月1日~平成25年5月31日

活動内容:欧米とアジアの国際交流提携先を結ぶ国際建築設計ワークショップの実践と学生の国際インターンシップ先の新規開拓

IMG_0042(上間)(HP掲載).JPG

8 大学院博士後期課程創成シミュレーション工学専攻3年 高木信二 Shinji Takaki

派遣国:イギリス

派遣先組織:エジンバラ大学

派遣期間:平成25年9月9日~平成26年1月31日

活動内容:音声は人間にとって最も基本的なコミュニケーションメディアであるということから人々が音声によって自然かつ自在に情報を発信し、またやりとりする環境が広く社会に実現されることは、ひとつの理想です。本研究では、日本語のみではなく他の言語における音声対話システムの構築を検討しました。特に音声対話システムにおいて重要な要素技術の一つである音声合成の多言語化について検討し、英語音声合成システムの高精度化に関する研究を行いました。

IMG_0058(高木)(HP掲載).JPG

9 大学院博士前期課程社会工学専攻1年 青山友美 Tomomi Aoyama

派遣国:オランダ

派遣先組織:ENCS

派遣期間:平成25年7月1日~平成25年12月31日

活動内容:制御システムのサイバーセキュリティフレームワーク

インターネットを利用して標的のコンピュータやネットワークへ不正に侵入するサイバー攻撃の手法は、頻発化・巧妙化が進んでいる。特に近年は、発電所・交通機関などの社会インフラシステムに不可欠な、制御システムを狙った攻撃が懸念されています。このため私は、①安全学の視点から、制御システム環境に取り入れやすいセキュリティの評価方法を議論する「セーフティ(安全)とセキュリティの同時達成のための枠組み作り」と、②プロジェクトマネジメントの視点から、実際にサイバー攻撃が起きた際の対応能力を組織のマネジメント体制によって向上させる「レジリエンシー(回復力)向上のための組織パフォーマンス評価手法」の二つのテーマで、セキュリティマネジメントの研究に取り組んでいます。

IMG_0059(青山)(HP掲載).JPG

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