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学長のことば 平成28年度入学式式辞(平成28年4月)

DSC_0404.JPGのサムネイル画像  咲き誇る鶴舞公園の桜が、皆さんの入学を祝福しているようでございます。

 皆さん、名古屋工業大学にご入学おめでとうございます。ご臨席のご来賓ならびに列席の理事・副学長、部局長をはじめとする教職員一同とともに、皆さんのご入学をお祝いしたいと思います。日々勉強に勤しんできた努力が実を結び、晴れて入学されたことに敬意を表するとともに、これまで皆さんを力強く支えてこられたご家族、関係の皆様に心よりお祝いを申し上げます。

 約一世紀前、教職員30名、学生100名で開校した工業学校は、科学技術の進歩と高等教育の普及に伴い、国立大学工学部の中では、教職員約530名、学生約5700名の屈指の規模を有する工学系単科大学として発展してきました。そして、今年は創立111周年。さらに1が並ぶ11月には記念行事も予定しています。皆さんと一緒に未来を語る前に、古きを温ね新しきを知る、まずは歴史を振り返り、名工大の根底に流れる建学の精神についてお話しをしたいと思います。

 名古屋工業大学は、明治38年に創設された全国で4番目の官立名古屋高等工業学校および昭和18年創設の愛知県立高等工業学校を源流として、昭和24年に二つの学校が合併し、新制国立大学として発足致しました。

 名工大の創立にあたって、初代学長でいらっしゃった清水勤二先生は

「活きた問題」、「活きた研究」、「活きた教育」この3本柱を掲げました。

 活きた、とは活動の活、でございます。社会・産業界が直面し、解決を望んでいる課題、いわば「イキ」のいい問題を掘り起こし、水が迸るごとく活き活きと進化し続ける研究により解決への道筋を探るとともに、本質を究明して学術の根を深くおろし、さらには、それを教育の上に表して人に活力を与える。これが名古屋工業大学の使命であり建学の精神であるとしています。

 いま聞いても瑞々しい色あせない精神であると思いませんか。この実践的な名工大の学風が、今日まで7万人を超える優れた人材を社会に送り出し、数多くの卓越した研究実績を築いてきました。カンバン方式、カイゼンなどで有名なトヨタ生産方式を生み出した大野耐一さん、その理念と実践を支えた鈴村喜久雄さんをはじめ、この場ではご紹介しきれないほど先輩方の足跡は、世界中至る所で見つけることができます。中京地域は、皆さんご存知のように、わが国ひいては世界のものづくり産業の卓越した集積拠点です。この地域の活性化はわが国の産業の成長の鍵を握っているといっても過言ではありません。この地域で生まれ、地域社会・産業界の発展とともに育ってきた名工大が、世界の発展に極めて大きな役割を担っていることを、皆さんにはぜひ理解していただきたいと思います。

 つぎに、名古屋工業大学がめざす教育についてお話しします。

 名古屋工業大学では、歴史,文化,社会の発展を世界的な視野で理解し、科学と技術を新しい社会の創造に繋げる実行力のある人材、すなわち、実践的工学エリートを育成する教育をめざしています。科学技術の急速な進展と社会のグローバル化、多様性から、産業界や社会が求める人材も多様化しています。その要求に応えるべく、名古屋工業大学は、今年、新たな教育システムをスタートいたしました。皆さんが入学する新学科は、学問体系にしっかりと根を下ろしながらも、社会・産業界の人材ニーズに対応できる教育体制です。そのなかで、教養を修め、基礎から専門へと工学の頂をめざして登っていくことになります。そこには、様々なルートが提示されています。将来を見据えて自ら計画を立て、設計しながら自分に合った道を選択してください。また、学部・大学院修士課程を6年一貫で教育する創造工学教育課程は、科学技術に対する多面的な視点と新たな価値観から技術を理解し、様々な技術要素から斬新な発想の下で製品やサービスを生み出すことのできる、創造性豊かな人材の育成をめざしています。多面的・俯瞰的な工学センスを身につける学習環境のなかで、新しい工学へのアプローチを作り出す意欲を学び、新たな価値・ものを生み出すための広い視野と創造力を養ってください。大学院に進学する皆さんも新しい専攻で学ぶことになります。大学院では、さらに高度な専門性を身につけ研究の道に入っていきますが、それはわき目もふらず狭い道をまっしぐらに進むことではありません。他の研究テーマ、研究分野にも関心をもち、多様な学問分野に目を開いて創造性を養ってください。学内には様々な教育研究センターがあり積極的に活動しています。民間企業との共同研究に参画する機会もあります。さらには、海外研修、インターンシップ、学会活動など、活動範囲を学外に求めることもできます。そこで得られる異なる発想や知識、研究成果はきっと皆さんの研究に役立ちます。

 皆さんが大学で学ぶのは、工学専門分野の知識と技能だけでは、もちろんありません。日本の歴史と風土、文化、社会の仕組み、そして世界を知るために幅広い教養を身に着け、自らの人生観、世界観を築く場所と時間を与えてくれるのが大学です。課外活動に打ち込み、仲間を増やして、皆さんの住む世界を広げることも良いでしょう。識らないことを識る楽しみ、今の皆さんの感性だからこそ、その楽しみを享受し、得られるものが沢山あります。

 もう一つ、皆さんに期待されていることがあります。それは、国際性です。どんどんグローバル化する社会が求める人材は、語学力をしっかりと身につけ、自らの考えを国際社会でしっかりと主張できる論理的な思考力、発信力、実行力をもった若者です。海外留学の経験は国際性と自立心を養う絶好の機会です。

 自立した一人の人間として力強く生き、グローバルステージをめざす皆さんを後押しするために教育環境整備を名工大は惜しみません。

 皆さんがこれから大学で過ごす4年間、あるいはそれ以上の月日とともに世の中は間違いなく動いていきます。発生から5年が過ぎた東日本大震災の復興もこれまで以上に加速しながら日本中の眼差しは注がれ続けます。4年後には東京オリンピックが控えています。そして、およそ10年後のリニア開通に向け、名古屋駅周辺は益々活気づいてくることでしょう。燃料電池車の市場参入,自動運転など自動車のあり方も大きく変わっていくことと思います。昨年、国産初のジェット旅客機MRJが初飛行を果たしたのも皆さんの記憶に新しい出来事だと思います。離陸した瞬間、携わった人たちが空を見上げている姿を見て、ものづくりの技術が実を結ぶ瞬間に立ち会うときの感動、それこそが技術者の追い求めている夢であると感じました。ものづくりの拠点、技術の宝庫、名古屋工業大学から世界へ羽ばたく!この躍動感を持って、ぜひ皆さんにも大空を見上げて欲しい。

 同じ空の下、世界に眼をむければ、IoT、Internet of Things、これが急速に進展しています。産業界では第四次産業革命の流れが加速し、社会はスマートな社会に向かってますます変貌していきます。まさに時代のフロンティアに皆さんは立っているのです。

 名古屋工業大学は、皆さんを、活き活きと全力で支援し、緑豊かなこの地に「工学」の未来をのせ、教育研究環境の充実と不断の改善をはかっていくことを強く約束し、私の式辞といたします。

                        平成28年4月6日       
                     名古屋工業大学長 鵜飼裕之


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