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学長のことば 新年のご挨拶(平成29年1月)

あけましておめでとうございます。

皆様、お健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 DSC_7309_re.jpg今年は、十干十二支で「丁酉(ひのととり)」。「酉」の字は果実が熟した状態に由来して「成長」「熟成」を表すと言われ、「酉の市」の起源にもなっています。今年も伝統を礎に、これまで進めてきた改革の成果を着実にし、さらなる成長とグローバルステージの高みをめざす年にしたいと思います。
  

多様な人とつながる教育のグローバル化
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 実践的工学エリート -

 昨年4月、5つの学科・専攻からなる高度工学教育課程と、わが国では初となる大学院博士前期課程までの6年間一貫的教育を実現する創造工学教育課程を開設し、第二部を併せて合計969名の学部新入生を迎えました。また、学部入学生での女子学生比率は17.3%に上り、外国人学生も大学院を中心に増加する傾向にあり(10月時点の留学生比率は5.6%)、地域もアジアから欧州、アフリカなどに拡がりを見せています。
 今年は、大学に隣接する旧狭間住宅跡地に、外国人学生と日本人学生が同居する国際学生寮の建設に着手する予定です。そこには女子学生専用スペースも計画しています。グローバル化において大切なことのひとつは、様々な価値観を有する多様な人々が共存するダイバーシティ環境へ適応できる能力を身につけることだと思います。学生のみならず、研究ユニットによる外国人教員の招致、男女共同参画の推進による女性教員の増大、産学連携の強みを活かした企業型教員の受け入れなどもさらに進め、ダイバーシティ教育環境をより一層整備してまいります。
 名工大がめざす実践的工学エリートとは、専門分野の知識と技能のみならず、歴史と風土、文化、社会の仕組み、そして世界を知るための幅広い教養を身に着け、自らの人生観、世界観をしっかりと備え、表現できる人材です。そのため、教養と叡智を有し、世界の人々の前で説明できる能力を有する工学リテラシー、国際社会で活躍できるグローバルコミュニケーションなど、新たなカリキュラムを導入しました。また、ノーベル化学賞受賞者であるロアルド・ホフマン博士を招いて実施した講演会と博士の自伝的戯曲「これはあなたのもの」上演(昨年11月)を通し、科学技術と人文知の多元的なメッセージを社会に向けて発信できたことも本学にとって大変意義のあることでした。日本人学生の海外留学についても、海外研修・研究インターンシップの単位化、基金を活用した留学支援制度を導入するなどして積極的に奨励しています。
 これからも、名工大は、幅広い分野をカバーする工学の総合大学としての強みを十分に活かし、多様な人とつながり、グローバルに活躍できる工学エリートを育ててまいります。
  

世界、産業界とつながる研究のグローバル化
 - 工学のイノベーションハブ -

 名工大の教員は、世界的な研究レベルにおいても産学共同研究実績においてもトップクラスの実力を有しています。ひとり一人の能力をさらに高めるとともに、その能力をチームとして世界へ、そして産業界に発信するため、研究組織、産学官連携組織を整備して研究力をさらに強化してまいります。
 研究のグローバル展開を目的に研究特区として整備した材料科学フロンティア研究院、情報科学フロンティア研究院では、研究ユニット毎に海外の著名大学・研究機関から外国人教員を採用して共同研究教育ネットワークを築いています。その成果は、教員ひとり一人の国際的共著論文への展開のみならず、エアランゲン・ニュルンベルク大学(FAU、ドイツ)との二国間交流事業への共同提案、ウーロンゴン大学(オーストラリア)との情報科学での共同大学院設置に向けた交渉など、組織的な交流に発展しています。また、中国、マレーシア、フィリピンをはじめとするアジア地域の大学とは、研究および学生交流の実績を重ね、大学対大学、大学対地域という組織的な協同関係を築いています。さらに、若手教員の国際的な研究力・教育力を養うため、一年間、本務を離れて海外に送り出す「若手研究者在外研究員制度」も軌道に乗ってきました。こうした取り組みは、研究のグローバル展開に大きく寄与するものであると確信しています。
 名工大の産学官共同研究の実績は、常にわが国の最上位にランクされています。今年度は、昨年度の共同研究契約件数270件を上回る勢いで推移しています。しかし、これまでのように個々の教員の共同研究を主体とした取り組みだけでは限界があります。教員と企業とのお付き合いの関係から組織対組織による共創の関係へ。これが、新たな産学官連携のめざすところです。経団連においては、2025年までに産学連携経費を欧米並みに現在の3倍に増加させると明言しています。しかし、費用負担の適正化と管理業務の高度化、知的財産マネジメント、人的資源の共有化など機能強化が求められており、産学連携は新たな段階に入ったとも言えます。一方、大型研究教育設備も他機関に比して極めて充実しており、学内外での共用促進を図ることで一層共同研究に強みを活かせます。今年は、産学官連携センターと大型設備基盤センターを一体的に再編し、スピード感とともに信頼感ある組織体制づくりを行っていきます。
 一方、中京地域のものづくり産業を支えてきた中堅・中小企業への貢献も、名工大にとって重要な使命のひとつです。今、この地域の産業構造は、脱CO₂、自動運転技術、製造業での第四次産業革命への対応、航空機産業への期待など大きな転換点を迎えています。わが国の製造業には、「要素技術力」「現場力」「改善力」など優れた生産技術が蓄積されています。それらを活用しながら、多様化する価値・ニーズに柔軟に対応できるモノづくり、そしてビジネスエコシステム(コトづくり)を推進するための事業を産官学金で始めています。また、中小企業を対象とした「産学官連携学び合いプログラム」も、好評のうちに三年目に入りました。大学にとっては、学生の実践力を涵養する社会実装教育や産学共同研究へと繋がり、企業にとっては、新たな製品に繋がる新技術の創出が期待できる、名工大オリジナルの実践型教育プログラムです。
 国内外の大学・研究機関、産業界、行政、金融界とのネットワークを介して「人」「知」「技術」をつなぎ、学術・技術で新しい技術の価値を創造し世界に発信する拠点。名工大がめざすのは、このような「工学のイノベーションハブ」です。

 学生、同窓生、企業人、地域の皆様と意識の共有をはかり、まさに「酉」の由来に相応しい、成長とともに熟成する大学となれますよう教職員一丸となって、今年も努めてまいります。
 皆様の一層のご協力、ご支援をお願いするとともに、皆様にとって実り多き年となりますことを心より祈念いたします。


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