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学長のことば 平成29年度入学式式辞(平成29年4月)

DSC_2656_R.JPG 皆さん、名古屋工業大学にご入学おめでとうございます。ご臨席のご来賓ならびに列席の理事・副学長、部局長をはじめとする教職員一同とともに、皆さんのご入学をお祝いしたいと思います。日々勉学に勤しんできた努力が実を結び、晴れて入学されたことに敬意を表すとともに、これまで皆さんを力強く支えてこられたご家族、関係の皆様に心よりお祝いを申し上げます。

 約一世紀前、教職員30名、学生100名で開校した工業学校は、科学技術の進歩と高等教育の普及に伴い、国立大学工学部の中では、教職員約530名、学生約5700名の屈指の規模を有する工学系単科大学として発展してまいりました。時代の変遷とともに進化し続ける実践的な名工大の学風が、今日まで7万人を超える優れた人材を社会に送り出し、数多くの卓越した研究実績を築いてきたことは言うまでもありません。皆さんの先輩方の足跡は、世界中至る所で見つけることができます。本日からその後輩であることに、皆さん、大いに誇りを持っていただきたいと思います。また、中京地域は、わが国ひいては世界のものづくり産業の卓越した集積拠点です。この地域の活性化が、産業の成長の鍵を握っているといっても過言ではありません。この地域で生まれ、産業界の発展とともに育ってきた名工大が、世界の発展に極めて大きな役割を担ってきたことを理解していただきたいと思います。

 本来なら、もっと名工大の歴史と伝統をお話ししたいところですが、それは別の機会にとっておき、今日は、夢いっぱいの皆さんと一緒に、未来を、そして名工大スピリッツをお話したいと思います。

 新生活を始めるにあたり、家電製品を揃えた方、スマホやPCを買い替えた方もいらっしゃると思いますが、私たちは、今、様々な技術の結晶に囲まれ生活しています。言い換えればテクノロジーとともに生きています。とくに、近年、AI、ビックデータ、IoTなどICTの急速な進展とともに、科学技術の発達は指数関数的に加速しています。世界からテクノロジーの宝庫と評される名工大とともに、本日から入学した皆さんも、そのテクノロジーのフロンティアに立っているのです。

 しかしながら皆さんに求められるものは、スマート社会に見合う最先端の専門分野の知識と技能のみではありません。歴史と風土、文化、社会の仕組み、世界を知るための幅広い教養、そして自らの人生観、世界観を身につけ、それらを世界に向かって発信できること...これが、グローバル社会が求める工学技術者・研究者です。名工大では、そのような人材を、実践的工学エリートとして育成するために力を注いでいます。

 さて、皆さんは映画がお好きですか。先に行われたアカデミー賞で、「ラ・ラ・ランド」というミュージカル映画が監督賞、作曲賞など多くの賞を受賞しました。監督は史上最年少32歳、ハーバード大学出身、また作曲賞を受賞したのは監督の同窓生だったハーバードの友人です。学生時代に夢を語り合い、10数年という月日を経て、異なるジャンルの二人が一つの作品で映画界のトップに上り詰めた、まるで映画のようなストーリーが現実に起こりました。これはハリウッドで起きたアメリカンドリームのひとつですが、技術の世界においては、シリコンバレーがそうした夢を実現する場所と言われています。世界がグローバル化し、オープンイノベーションが求められている現在、世界中から夢を抱いた多くの若者が集まり、イノベーションをめざす、第二、第三のシリコンバレーが世界中で生まれています。

 ここで皆さんに申し上げたいのは、皆さんがこれから抱く夢は実現可能であるということ。学生時代の学びや活動体験、友人や様々な人たちとの出会いは非常に価値があるということ。もしかしたら今はピンとこないかもしれません。夢は年月を経て、時代と皆さんの成長とともに熟成され、諦めず鍛練し続けていると、単なる夢では終わらなくなります。ハーバードの二人のように作品を生み出したり、あるいは事業を立ち上げたりと、様々な形で夢は実現可能です。これは、ハリウッドやシリコンバレーでのことだけではありません。夢を実現する場所や機会は、皆さんの周りにあふれています。名工大の先輩であり、トヨタ自動車工業元副社長の大野耐一さんは、わが国の自動車産業の黎明期に、後輩である鈴村喜久雄さんとともにトヨタ生産方式を生み出して、豊田喜一郎の夢であるジャストインタイムを実現しました。皆さんの先輩たちは、そうして夢をつむぎ、実現してきたのです。

 いつかは夢が実現すること、今はそのことを知っておくだけでいいのです。知らずに漫然と学生時代を送るのとでは大違いです。勉学はもちろんのこと、勉学以外のことも熱く語り合って下さい。大学院へ進学する皆さんも、本日を機に、今より少しだけ、1アップで構いません、より語り合い、より感性を磨いて学生生活を送っていただきたい。

 名工大は、皆さんの若いエネルギーと可能性を最大限に活かせる環境を整えています。自立した一人の人間として力強く生き、グローバルステージをめざす皆さんの意欲を、名工大は全力で支援いたします。そのための環境作り、整備を惜しみません。

 最後になりますが、サイエンスが果てしない森であるならば、道なき道を切り拓いていかなくてはなりません。その道標となるのが諸先生方、先輩方の声です。柔軟に耳を傾けて下さい。険しい道を果敢に進んでいって下さい。その先にある扉を開くのは、ここにいる皆さんです!

 名古屋工業大学は、教育研究環境の充実と改善をはかっていくことを強く約束し、私の式辞といたします。

平成29年4月5日

名古屋工業大学長 鵜飼裕之


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