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学長のことば 新年のご挨拶(平成31年1月)

あけましておめでとうございます。

皆様、お健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

DSC_7309_re.jpg 昨年は、大規模な自然災害が多発し、日本各地域に甚大な被害がもたらされました。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り致しております。
 さて、今年は平成から新年号への改元、ひとつの時代の節目ともいうべき年となります。本学は、明治38年創立以来、明治・大正・昭和・平成の激動の時代のなかにあって、これまで工学系高等教育機関としての揺るぎない地位を築いてまいりました。そして、今日、グローバル化、デジタル化、ソーシャル化など未来社会に向けて大きく転換する時代を迎えるなかで、より一層工学系大学としてのプレゼンスを明らかにし、本学が掲げる将来ビジョンに向かって邁進してまいりたいと思います。

未来社会をリードする実践的工学エリート-

 昨年、中長期における国の教育方針を決定する中央教育審議会から「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」なる答申が出されました。昨年生まれた子供たちが大学を卒業する年を想定し、その時「どのような人材が社会を支え、社会を牽引することが望まれるのか」を予想して高等教育の在り方を問うた答申です。もちろん、未来社会を予測することは不可能ですが、少子高齢化、地球規模で進む環境問題、経済状況の停滞など課題先進国としてのわが国が直面する課題への対応の必要性や産業社会の将来ビジョンであるSociety5.0やSDGsなどを例にあげ、様々な社会変化に柔軟に対応できる人材像および教育システムの在り方を答申しています。とくに、AIなどの技術革新が急速に進むなかにおいては、「真に人として果たすべき役割を十分に考え、実行できる人材」が求められるとしている点が特徴です。地球規模での環境問題の解決、イノベーション創出への期待など、将来ビジョンの成否は科学技術の発展にかかっているといっても過言ではありません。その意味では、本学のような工学系大学に対する社会、産業界からの期待はますます高まっていくことでしょう。本学が教育改革の一環として平成28年度から導入した複線的な教育課程は、社会や産業界からの人材像への要望にいち早く的確に応える取り組みです。そのなかで学生は各々自分に合ったカリキュラムを選びながら「学び」の意欲をもって勉学に取り組んでいます。昨年久々に改正された工学系学部・大学院の設置基準なども本学にとっては追い風となっています。企業型人材による実践的教育の導入、社会人を対象としたAI・ロボット導入のための人材育成など、産学連携を活かした教育体制についても着実に成果を収めています。そして、これらはゴールの明確さと機動的な意思決定という工学系単科大学のメリットを最大限に活かすことで実現できた教育改革です。社会がどのように変化しても常に未来をリードする人材を養成していくこと、まさにこれこそが工学系教育のトップランナーとして名工大のあるべき姿であると考えます。

未来の産業社会を支える工学のイノベーションハブ-

 わが国における財政状況の悪化と世界のなかでの産業力の低下が要因となって、大学には産学連携への期待がますます高まっています。本学が設置する産学官金連携機構は、伝統的に強みを発揮してきた産学連携研究と基礎的な研究力の特色を有機的に活かしていく基幹組織です。教職員のたゆまぬ努力と企業などの関係者の皆様のご尽力により、昨年も着実に業績を上げるとともに財政的にも大きく寄与しています。さらに、昨年、デジタル社会をめざしたNITech AI研究センター、ものづくり産業を基盤から支え、大きく変動する自動車産業にも貢献する先進生産技術研究センターを設置するなど、モノづくりとコトづくりを一体的に機能させてイノベーションを創出する全学的な体制が整いつつあります。また、研究特区である材料科学・情報科学フロンティア研究院では、研究者・学生間の交流を一層促進して研究展開につなげ、多くの国際的な共著論文の増加にも結び付いています。教員ひとり一人の高い研究力を活かして組織化し、世界へ、そして産業界へ展開していくため、国際連携と産学官金連携を駆動源とする研究体制をより一層充実してまいります。国内外の大学・研究機関、産業界、行政、金融界とのネットワークを介して「人」「知」「技術」をつなぎ、学術・技術で新しい価値を創造して世界に発信する拠点。まさにこれこそが名工大ならではの研究体制「工学のイノベーションハブ」です。

多様性を享受しながら学生の活力を生むキャンパス-

 昨年の学部入学生における女子学生比率は19.9%でした。これまで、積極的に取り組んできた男女共同参画社会に向けたポジティブアクションの成果として、全国工学系学部では有数の誇れる数値です。今年もこの流れに乗ることを期待したいと思います。外国人留学生に対しては、独自の留学生プログラムや大学院での英語による授業の導入など国際化を進める一方で、日本語教育や留学生の地域企業への就活も積極的に展開して優秀な留学生の獲得に努めています。また、昨年オープンした国際学生寮NITech Cosmo Villageでは外国人留学生と日本人学生が地域に溶け込んで共同生活を送っています。工学系分野で活躍する女性と有意な外国人留学生の育成は科学技術立国を支える工学系大学にとって大切なミッションです。女性技術者・研究者の活躍推進、外国人研究者、企業型教員の積極的な登用など多様な人材を集めることによってキャンパスのダイバーシティ化をより一層進めます。また、学生の起業家マインドを醸成するためのアントレプレナー教育にも力を注いでいます。一方、学業だけではなく、課外活動など学生時代に経験する様々なキャンパスライフを通して学生は成長していきます。昨年も、ソーラーカー部など技術を活かした学生プロジェクト、運動部、文化部の大会等で学生たちの活躍が際立った一年でした。国際会議での研究発表、海外研究インターンシップなど、海外に勉学の場所を求める学生も増加しています。こうした学生の活力向上へつながる教育環境の整備に対して、同窓会をはじめ関係の皆様から様々なご支援を頂きましたことを厚くお礼申し上げます。今年も、より一層のご支援をお願い申し上げる次第です。これからも、多様な人々が共生し、互いに能力を高め合うことで大学に活力を生み、新たな価値を創造するダイバーシティ・インクルージョンをめざしてまいります。

学生の活力を生むキャンパスへ-

 さて、今年は、十干十二支で「己亥(つちのとい)」。「亥」はイノシシ、猪突猛進とはよく言いますが、「己」と「亥」は五行では「土剋水」(水の流れを堰き止める土の意)なる相剋の関係にあるとも言われています。つまり、勢いに任せて突き進むと、思わぬ障害や落とし穴が待ち受けている、ということでしょうか。確かに、昨今の政府や経済界からの工学系教育に対する期待、産学連携を強く推進する潮流は、本学の大学改革への追い風となっています。しかし、一気呵成に猪突猛進することへの戒めとして、ここは一歩一歩着実にステップを踏み、改革を確実に進めていくことが肝要、と気持ちを引き締めてまいりたいと思います。

 本学教職員のみならず、学生、同窓生、産業界、地域の皆様との意識の共有を図りながら、常に人と知と技術が行き交う社会に開かれた工学系大学をめざしてまいります。皆様の一層のご理解、ご支援をお願いするとともに、皆様にとって実り多き年となりますことを心より祈念いたします。


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