名古屋工業大学パンフレット
12/32

fulAr11須藤美音 Mine SUDONagoya Institute of Technology Report 2022学長特別補佐(キャンパス整備担当)大学院工学研究科 工学専攻(社会工学領域)准教授努めています。 当初課せられた任務は「県芸大の学生や卒業生の作品をキャンパスに飾る」というものでした。ところが、アートディレクターである県芸大の岩間賢准教授は少し違う観点をお持ちでした。アート作品の協同制作、名工大に溢れる素材や技術のアートへの活用、両大学の共同研究など、アート作品の設置にとどまることなく、多くのプロジェクトへと発展していきました。 県芸大とともに作品制作に携わるうち、ゴールを設けない作品制作や、鑑賞者側に判断をゆだねるアートなど、同じ「ものづくり」をする者ながら、アプローチの違いに驚くとともに感心させられました。このような県芸大とのプロジェクトを通して、アート設置で完成ではなく、制作のプロセスを共有することや、作品設置後の経年変化を見守り続けることの重要性を感じ、学生も巻きこみながら、持続可能なプロジェクトに育てることにしました。学生同士の白熱した討論や予想以上の反応に感動 アート作品の協同制作には名工大の学生の力が必要でした。協力を担ってくれたのは社会工学科建築・デザイン分野の学生であり、美術部部長の井上祐紀さん。美術部の学生を集め、壁画の制作に活躍特 集  |CLOSE UP アートフルキャンパス構想工業大学にアートを取り入れるという試みをスタートさせました。工学視点のものづくりにアートが与える影響は? 学生の反応は? 担当の須藤美音学長特別補佐が報告します。「キャンパスにアートの風を」からスタート 2021年4月から、構内の広場やホールなどをアート作品で彩る「アートフルキャンパス」プロジェクトの構想が始まりました。発案者は2020年に就任した木下隆利学長。学長自ら、愛知県立芸術大学(以下県芸大)の学長を訪問し、「御器所が丘にアートの風を送ってほしい」とお願いされました。本学では建物・設備の老朽化が進み、目下の修繕費の工面も難しい状況下で、将来を見据えた施設の投資ともいえるアートフルキャンパスの構想を学長より伺い、私はマネージャーとして具現化にアートフルキャンパス構想t

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る