名古屋工業大学パンフレット
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7学長からのメッセージMessage from the PresidentNagoya Institute of Technology Report 2022 今日、人類には大きな変化が求められています。18世紀半ばに起こった産業革命というエネルギーの革命は人々へ富と繁栄をもたらしましたが、2世紀半を経て、地球規模の環境破壊や気候変動といった、これまでの経験や価値観が通用しない課題が私達に投げかけられています。人に寄り添う「心で工学」による“ものづくり”、“ひとづくり”を通してこれらの課題を解決へと導き、求められている大きな変化を“未来づくり”としての幸多き持続可能な社会の形成へと先導することが、今日の工学に課せられた不動のミッションだと考えます。 今後も名古屋工業大学は、ステークホルダーの皆様に寄り添い、ともに歩みながら、平和で心豊かな未来づくりに大いに貢献してまいる所存です。■ ものづくり 新制名古屋工業大学初代学長の清水勤二先生は、名古屋工業大学学報の1949年創刊号で「本学は数多き大学のうち、わずか四指を屈する単科の工業大学であって、おのずから他の総合または連合の大学と異る特色を持たなければならぬ。その一つは、教育においても研究においても、従来の大学のごとく孤高におちいらず、産業界または実際技術家と緊密な連携をし、できるならば融合一体化して、活きた教育、活きた研究をすることである。」との言葉を寄せており、本学の一つの原点を示しています。1985年の大学院博士課程設置以降は博士後期学生数の増加に伴い論文数も飛躍的に増加するなど研究力の着実な強化に繋がり、地域産業界の課題解決等に大きく貢献しています。■ ひとづくり 本学は2014年に産学官教育連携会議を設置し、中京地域産業界から理工系人材育成に関する意見を取り入れ、社会が求める人材を育成するために不断の教育改革を実施してきました。学部教育では、2016年に分野の枠を越えて工学全体を俯瞰する「創造工学教育課程」を、2022年4月に工学部第二部を改組し、働きながら学ぶ夜間主課程の「基幹工学教育課程」をそれぞれ設置しました。専門分野を深掘りする5学科からなる「高度工学教育課程」を合わせた3つの教育課程において実践的な教育を展開することで、新しい価値や人々の幸福を創出できる研究者・技術者を社会へ送り出しています。一方、大学院教育では、学術分野により分かれていた専攻を統合して「工学専攻」に一本化し、分野の垣根を越えた融合的な教育研究を展開しています。■ 未来づくり 本学は平和で幸福な未来社会の実現に向けて地域や国際社会と連携し、課題解決に資するイノベーションの創出を推進しています。具体的には、組織対組織の大型共同研究やプロジェクト研究所による産学官金の連携強化、JASPAR等と連携した高信頼通信ネットワーク教育研究拠点の形成、海外大学からの研究者招へいや本学学生・教員の海外派遣等によるグローバル連携強化などです。また、社会を変えるイノベーションを生み出すためには、専門知識や能力だけでなく日常的に自然や芸術作品に触れることも必要と考え、愛知県立芸術大学との包括的連携協定のもと「アートフルキャンパス」構想を展開しています。名古屋工業大学長 木下 隆利「心で工学」を合言葉に、心の豊かさと新たな幸を生み出す工業大学をめざす

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