名古屋工業大学パンフレット
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11Nagoya Institute of Technology Report ���� 日本の大学では近年、博士後期課程への進学者が大きく減少しています。新型コロナの影響で多少減少している国は他にもありますが、先進国でこれほど劇的に減少しているのは日本だけです。韓国のようにこの数年で進学率が�倍になっている国もある中、なぜ日本の進学率だけが伸びないのでしょうか? 最も大きな理由は日本企業の採用基準です。日本では終身雇用制を前提とした採用がいまも根強く残っており、多くの企業が新入社員を一から教育し、定年退職までの期間を通して自社に合った人材にしていこうとしています。そのためには、基礎教養や基礎学力があれば十分ですから、一分野に特化した博士号取得者よりも修士課程修了者の方が扱いやすいというわけです。特に日本最大の産業集積地である中京地域では、そうした傾向が強く見られます。 しかし、このような状況はいつまでも続くわけではありません。例えばいま世界的なテーマとなっているSDGs。企業が環境問題に向き合わなくてはならない時代になり、環境分野に特化した技術者が求められるようになっています。また海外においては、博士号の有無が研究者・技術者として、さらにはその研究成果や開発製品に対しての評価に大きく関わるため、名刺に「Ph.D./博士号」と載せられることは大きなアドバンテージです。 就職はゴールではなく、その後��年、��年と研究者・技術者としての人生が続いていきます。そこで生涯に渡って使える武器を身に付けるのが、本学の博士後期課程です。いま、そしてこれからの企業に求められるのWEB国際連携エネルギー変換システム専攻ドイツの名門大学FAUとの共同プログラムによりグローバル人材を育成左:Hornegger FAU学長 右:Webber FAU教授は、専門性に特化した知識・技術だけでなく、自ら課題を見つけ、解決し、提案することができる人材です。広い視野、多様性の理解、人の言葉に耳を傾ける力など幅広い能力を身に付け、将来にわたって世界で戦える技術者・研究者の育成を目指しています。 本学では、日独共同大学院プログラム、連携博士プログラム、スタートアップ助教制度、JST次世代研究者挑戦的研究プログラム、次世代萌芽インセンティブといった様々なプログラム・制度によって、博士後期課程における研究と学びを支援しています。����年度には「博士グローバルアカデミー」を、����年度には「国際連携エネルギー変換システム専攻」を開設し、世界の動向を見据えた大学運営を進めています。WEB博士グローバルアカデミー柿本 健一 Kenichi KAKIMOTO副学長 / 博士グローバルアカデミー院長大学院工学研究科工学専攻(生命・応用化学領域) 教授グローバル人材教育博士号は生涯にわたって役立つ技術者・研究者のパスポート名古屋工業大学の博士後期課程では、ドイツのエアランゲンニュルンベルク大学(FAU)との連携による、世界トップレベルの博士人材育成共創プログラムを推進しています。その狙いと活動概要とは?博士グローバルアカデミー院長を務める柿本健一副学長が報告します。特 集日独共創プログラムで世界をリードする人材を育てる

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