名古屋工業大学パンフレット
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TOPIC 121盤面に触れた皮膚の面積、圧力、振動等を計測してデータ化する装置皮膚の振動をデータ化する「ウェアラブル皮膚振動センサ」WEB新領域学術院WEBサイト ����年度に、研究機能の拡充とグローバル連携の一層の強化を図るため「新領域学術院」を新たに設置し、世界レベルの研究を重点的に推進するとともに、研究力の向上に向けて、若手研究者の支援に戦略的に取り組んでいます。◇新領域学術院海外研究者招へい海外から研究者を招へいし、国際共同研究を活発化させるとともに、若手研究者の国際的な視野を広げる若手研究者の育成博士後期課程学生・ポスドクの研究プロジェクト参画産学官金連携学外機関大学との学術交流 触覚はとても主観的な感覚です。同じものに触れても感じ方は一人一人異なり、身体や運動に関与して個人差が大きく多様です。この触感のメカニズムを解明し、他者の触感を感じる方法を見出すことが、相互理解やコミュニケーションの強化につながると考え、触覚のデータ化に取り組んできました。 研究の成果として、指先の振動を検知してデータ化する「ウェアラブル皮膚振動センサ」などを開発しましたが、さらに研究を深めるためには触覚だけでなく他分野の専門性が必要だと考え、学内の先生方と議論し共同研究を開始しました。ちょうどその頃、学内で融合研究の機運が高まり、����年度に「新領域学術院」が設置されたのを機にさらにメンバーを充実、取り組むべき課題を提案した結果、����年度の採択課題に選定されました。現在は新領域学術院から提供された予算と場所、外部講師の招聘などを活用しながら、流体力学、トライボロジー、情動教育・地域・研究等の連携地域行政企業人文社会英語社会化学融合研究異分野の研究者からなるグループによる融合研究を実施し、学内に新たな研究開発拠点を形成する物理電気機械情報数理Nagoya Institute of Technology Report ����次世代を担うイノベーションリーダーの育成異分野融合による新しい研究分野の創生と国際共同研究拠点の構築「新領域学術院」の融合研究制度の活用感覚と情動と行動の複雑な関係性を解明する解析、音声合成、デザインを専門とするメンバーと共同で課題に取り組んでいます。 チームのメンバーを集めたのは私ですが、私が代表として引っ張るのではなく、それぞれが他のメンバーの専門性を活かしながら自分の担当課題に取り組むという形をとっています。融合研究のテーマは「マテリアル・コミュニケーションの情動・行動デザイン」。目標は大きく�つあり、�つは人と環境との相互作用から感覚知覚の機序を解明し、新たな感覚設計因子を創出すること、もう�つは感覚と情動と行動の複雑な関係性を解明することです。感覚が他者に伝わると心はどう動くのか、そして行動はどう変わるのか、これを突き止めることで、人と人との心地良い関係構築を目指します。 チームでミーティングを行うと、最初は無理だと思った課題でも回を重ねるうちに少しずつアイデアが出始め、可能性が広がっていきます。異分野交流ならではの議論の面白さに毎回感銘を受けています。本研究チームに与えられた�年間という時間を大切にしながら、じっくりと議論を深め、研究を深めて、成果を上げたいと思います。田中 由浩大学院工学研究科工学専攻(電気・機械工学領域)教授研究世界レベルの先端研究・若手研究者の育成を推進取組の紹介

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