名古屋工業大学パンフレット
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TOPIC 2TOPIC 322人々が自由に集まり寛げるコペンハーゲン市内の公共空間 日本の科学技術・イノベーションの将来を担う優秀な大学院博士前期・後期課程学生に対して、大学基金を原資とする支援事業を拡充しました。 ����年度には、より高いレベルの研究へのチャレンジを促すことを目的とした「学生Q�ジャーナル賞」を創設、また、「若手研究者支援基金」を活用した博士後期課程学生への研究費を助成する事業をスタートさせました。����年度からは、国際的に大学院学生への主な支援内容学生Q�ジャーナル賞【褒賞金】��万円×4件若手研究者支援基金【助成金】��万円×3件国際学会発表支援事業【助成金】��万円×4件 私の研究テーマは「環境演出におけるインテリアと都市デザイン」です。近年は都市デザインにおける公共空間を活用した研究成果の需要が増えてきているため、本学の在外研究員制度を利用、デンマーク王立アカデミー大学への派遣研究員として計 ��日間現地滞在し、市内各所の定点観測や関係者へのヒアリングを実施しました。 デンマークを選んだのは、その優れた都市デザインとそこで過ごす人々の様子を自分の目で見て学びたかったからです。この国は国民の幸福度・住みやすい都市・安全な都市などのランキングでは常に上位。電気自動車がすでに普及しており、エネルギーやジェンダーなど日本で顕在化している問題もすでに解決されています。 ヤン・ゲールをはじめ多くの著名な建築家やデザイナーを輩出しており、彼らによって形成されたデンマークの都市デザインは、日本でも大いに参考にするべきだと考えています。 定点観測は主にコペンハーゲンで行いました。この都市圏域は人口約 Web of Science等のQ�(上位�分の�)に属するジャーナルに第一著者として掲載された学生に対して、優れた研究成果として褒賞する。これにより、学生自身が高いレベルの研究テーマを掲げ、国際共著論文等へのチャレンジを促進し、本学の教育研究力向上につなげる。学生又は不安定な雇用状態にある研究者への研究等の支援を目的とする若手研究者支援基金を活用し、博士後期課程の学生を対象に研究活動や研究成果発表等の研究費を助成する。これにより、研究者としての能力及び資質向上を図る。将来、研究者を志し、博士前期課程在学時に海外で開催される国際学会での発表を目指している学生に対して、学会発表に必要な費用の一部を助成金として支援することで、国際的に活躍できる研究者の育成を推進する。活躍できる研究者の育成を推進するために「国際学会発表支援事業」を開始しました。 これにより、研究実績のある学生に奨励金を給付する「学生研究奨励」や研究インターンシップや留学を支援する「国際交流事業」といった、これまでの大学院生を対象とした支援事業との相乗効果が期待され、より一層の大学全体での研究力の向上や国際交流の推進を目指します。���万人で名古屋市と同規模です。����年代から、公園や道路をつないで市民に共有し、活用していこうという人間中心の街づくりが行われてきたため、街のあちこちに広々とした公共空間があります。道路を再整備して造られた公園、カフェ、マーケット。工場跡地の古い建物を活かしたレストラン、ギャラリー、劇場。さらに水辺の公共空間にも、平日の昼間でも多くの人々が集まり、思い思いに過ごしています。こうしてゆったりと暮らすことのできる都市環境が、幸福度の高さにもつながっているのでしょう。 今回の在外研究では、都市空間や人々の暮らしぶりが、建築や家具、インテリアともつながっているデンマークならではのデザインに触れ、強い刺激を受けました。また現地の先生方の研究や教育スタイルも日本とは異なり、得たものの多い��日間でした。この経験を今後の研究・教育に活かし、人が心地良く暮らすことのできる都市デザインを提案していきます。 名古屋工業大学レポート ����取組の紹介伊藤 孝紀大学院工学研究科工学専攻(社会工学領域)准教授研究力向上に向けた大学院学生への支援「在外研究員制度」でデンマークに研究滞在人間中心の都市デザインとそこに集う人々を観察

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