本戦略的大学連携事業の一つの取り組みに学部卒業生レベルの社会人教育があります。現代社会では科学技術の進歩が余りに早く、革新的技術の習得が一般の企業で困難になりつつあります。このような急速な変化が生じている社会の要望の一翼を担うべく、本コンソーシアムでは、各大学が連携し、各々が特に先進的教育、研究を行っている分野を社会人教育のカリキュラムとして構成し、社会人に提供致します。これにより大学の成果の社会還元を行います。本コンソーシアムでは、地元、東海3県の企業ではどのような教育が要望されているのかを調査し、カリキュラムを連携実施として作成し、順次社会に展開して参ります。
平成21年3月に名古屋工業協力会の協力を得まして、東海3県の企業の望む社会人教育についてのアンケートを実施しました。「名古屋工業大学研究協力会」に加入している会員をアンケートの対象として、20年度終了時の会員210社(対企業内個人)に郵送調査を行いました。発送は3月下旬とし、約2週間の回答期限を設けて、返送されてきたアンケートの集計を実施し、分析を実施しました。設定した回答期限までの回収件数は、68件であり、回収率は34%でした。
実施したアンケート(サムネイルクリックでポップアップします)
アンケートでは主に、
について、設問を作成し、回答を得ることができました。
日本が不況下にあったアンケートの実施時期から、特に短期期間コースの開催が望まれました。最も興味ある「何を教育して欲しい」かですが、先ず学問を機械工学、電気工学等の分野で分け、さらに別の見方から、基礎、専門、実践、総合(システム・リスク)等の学問領域の2つの要素からクロスを取り、詳細な視点から社会人教育に関する要望を分析しました。材料、電気電子の実践教育やシステム・リスク教育が望まれていることが分かました。下の分析結果のグラフの詳細はpdf文書の詳細に記載されています。
結論として、材料、機械、電気電子、今回のレポートで分類した領域において、実践的教育、システム・リスクでの教育のニーズが非常に高いことが判明しました。即ち、
に、東海地域の企業は社会人教育に対して強い関心を示しているものと思われます。アンケート分析結果の詳細を示します。(サムネイルクリックでポップアップします)
本工科系コンソーシアムでは、これらの結果を踏まえ、平成21年度は2つの社会人コースプログラムを実施することと致しました。
組込みシステムは、家庭用・産業用を問わず、電子制御を必要とする殆どの製品で用いられ、我が国のものづくりを支える重要な技術となっております。しかしながら、需要の拡大とともに技術者の不足が顕在化し、経済産業省が平成20年に行った「組み込みソフト産業実態調査」では、9万4千人もの技術者が不足している状況であると報告されています。さらに昨今の安全の要求も取り入れ、初心者から企業で担当されている社会人に広く受け入れられるコースを用意致しました。本コースでは名古屋工業大学と愛知工業大学の連携で行います。従来から組込みシステムの基礎に重点をおいてきた愛知工業大学と組込みシステム応用教育に強みのある両校が連携することにより、一貫した、分かりやすく高度な教育を受けることができます。さらに実践的な管理までの習得が可能です。教員の連携にとどまらず、両大学の学生もお互いの知識の補完のために、参加致します。これにより、基礎から応用、最終的に品質・リスク管理可能な人材の育成を図り、コースは無事終了しました。
詳細は下記リンクを御覧下さい。
本講座に関して、受講生の皆様に復習して頂くために動画を提供致します。又、一般の方も視聴頂き、新しい技術や評価方法について学んで下さい。
内容/講師 | 再生スタート | |
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オリエンテーション 鵜飼裕之 教授(名工大) |
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第1回 Part-1 |
モータドライブシステム設計論 加納善明 助教(豊田工専) |
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第1回 Part-2 |
メカトロニクス制御設計論 岩崎 誠 教授(名工大) |
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第2回 | 制御システム実習 ※注 森田良文 教授(名工大)、奥川雅之 准教授(愛工大) |
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第3回 | DSPを用いた電源設計論 曽禰元隆 名誉教授(武蔵工大、DSP技研所長) |
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第4回 | システムリスクのアセスメントと安全マネジメント 丹羽雄二 特任教授(名工大) |
注:第2回「制御システム実習」に関して、座学は都合により配信しません。なお、当日の受講生の方で視聴したいという方は問い合わせ先まで御連絡下さい。
平成22年度では、本講座の目的を分かりやすくするために、平成21年度実施教育を核としながら、カリキュラムの組み替えを行いました。これによりさらに組み込システムの理解が深まると期待されます。
本戦略的大学連携室長 鵜飼裕之教授が、愛知工業大学主催の公シンポジウム、「組込みシステム教育の実践−先進校に学ぶ」にも連携事業の一環とし講演を致します。この連携も社会人教育に向けた重要な社会へのアピールです。
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ものづくりの結果が資産(asset)となります。日本は自然災害の多い国ですので、資産の管理を考えておくことも重要です。元来、防災の分野で愛知工業大学は、研究・教育取り組んで参りましたが、さらに「東海地震」の発生が予測されてい東海地方の強いニーズの応えるため、名古屋工業大学の地震防災の教員、さらに水防災の関連から大同大学教員、建築振動から豊田工業高等専門学校と連携して、「防災マイスター」のための社会人教育を実施します。
各社会人コースにおける討論、教育成果発表は、カリキュラムの中で実施しておりますが日を改めて実施致しました。
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