情報工学専攻博士前期2年京拓磨さんが、電子情報通信学会衛星通信研究会の衛星通信研究賞を受賞しました
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2012年9月18日掲載
電子情報通信学会衛星通信研究会にて、大学院工学研究科情報工学専攻岡本英二研究室の博士前期課程2年京拓磨さんが、2011年度『第2回衛星通信研究賞』を受賞しました。
受賞研究
「光衛星通信のためのマルチレートLDGM符号化伝送におけるレート推定手法の改善」
災害に強く、地球規模での大容量な通信ネットワークを構築できる手段として、現在周回衛星を用いた空間光通信が注目されています。光ファイバと同様に無線にも光を用いることで圧倒的に高速な通信を実現することが可能ですが、長距離間の正確なビーム捕捉と追尾が必要なため技術的難易度が高く世界で数件しか成功例がありません。日本では宇宙航空研究開発機構(JAXA)と情報通信研究機構(NICT)がOICETSという衛星を用いてこの実験に成功しました。ただし追尾誤差と大気による受信信号の揺らぎを収容するような通信方式がまだ明らかではありませんでした。
京さんのグループはNICTと共同研究を行っており、この部分において光衛星通信に適した誤り訂正符号を設計し、今までにないより正確かつ柔軟なデータ伝送が可能になることを理論解析とシミュレーションにより明らかにしました。
受賞の様子(左:京さん、右:衛星通信研究会委員長の門脇直人氏)
衛星通信研究賞とは
電子情報通信学会衛星通信研究専門委員会が年に1度優れた発表に送る研究賞です。1年間の研究会発表の中から委員の推薦及び投票により3件選定されます。
平成23年度の衛星通信研究会32件の一般発表の中から京さんの「光衛星通信のためのマルチレートLDGM符号化伝送におけるレート推定手法の改善」という誤り訂正符号伝送に関するNICTと共著の発表が選ばれました。
2度目の受賞
京さんは昨年11月にも衛星通信に関する国際会議ICSSC2011にてBest Student Paper Awardを受賞しており、今回が2度目の全国的な賞の受賞になります。
京さんは普段から精力的に研究活動に努力を続け、光衛星通信分野の技術進展に大きく寄与しています。2度の受賞以外にも多数の国内発表、特許2件出願、学術論文投稿を行っています。京さんはこれら理論・シミュレーションによる研究だけでなくNICTで通信実験も行い、現在そのデータ解析を行っております。今後の成果の実用化への進展が期待されます。
関係リンク
この情報は研究支援課が提供しています。
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