名古屋工業大学長
小畑 誠

-合い言葉は「心で工学」-

名古屋工業大学は、1905年に創立された中部地区で最初の官立学校「名古屋高等工業学校」から出発しています。以来およそ120年にわたる歴史の中で８万人余の優れた卒業生を世に送り出し、地域と我が国の産業、社会の発展に貢献してきた我が国でも有数の規模と歴史を持つ工科系の大学です。

現在では工学のほぼすべての分野を網羅する５つの学科、２つの教育課程（学部、修士課程を含めた6年一貫教育の創造工学教育課程と夜間主の基幹工学教育課程）を有しています。より広い視野から問題にあたることを考えて大学院では分野の壁を越えた融合研究や教育を積極的に進め、修士課程ではただひとつの専攻、工学専攻に統合し、博士課程では従来の5専攻を工学専攻に再編しています。そのうえで2024年4月から修士課程では従来の専門分野に対応するものに加えて「未来通信」、「カーボンニュートラル」、「医学工学」といった分野融合プログラムを開始しました。海外との関係でも同じく2024年4月より本学で２つ目の博士課程共同学位プログラムとして、ドイツのエアランゲンニュルンベルク大学との国際連携エネルギー変換システム専攻を発足させました。

工学は「ものづくり」に関わりますが、その「もの」は究極的には人とつながっています。そこで人との関わりを重視する学問・技術としての工学を意識し、本学では工学とは心ですべきものと考え、「心で工学」を合言葉に教育「ひとづくり」を実践し、社会貢献「未来づくり」を行っています。こうした観点から計算や論理をつかさどる左脳だけでなく、感性や想像力につながる右脳も含めた全脳に働きかける教育・研究の機会と場を提供することを進めながら、来るべき時代にも活躍できる技術者、工学者を育てていきます。