橋本 忍
HASHIMOTO Shinobu
資源循環で拓く次世代構造材料研究
石炭火力発電所から排出されるフライアッシュやキラ土、火山灰などの未利用資源を活用し、アルカリ刺激でセメントのように固まる「ジオポリマー」の研究を進めています。特に、従来数日から1週間必要だった固化時間を、原料から3時間で達成できる「ウォームプレス法」を開発し、緻密なジオポリマー固化体の短時間製造を可能にしました。この手法は他の粉末材料の固化にも応用でき、地殻の鉱物形成を模して作る高密度な「ジオミメティックセラミックス」として新規物質の固化やその特性評価にも広がっています。この「ジオミメティックセラミックス」は最近トレンドの「コールドシンタリングプロセス」とほぼ同様の方法ですが本研究室で独自開発したものです。また、高温構造材料としての複合炭化物の合成や、アルミナ、ムライト、スピネル系の高気孔率耐火断熱材の開発も進めています。環境にやさしく、多用途に活用できる建材を含めた構造用セラミックスの姿を探究しています。

生命・応用化学類|教授
橋本 忍(ハシモト シノブ)
HASHIMOTO Shinobu
キーワード
担当分野・プログラム
研究区分
研究テーマ
- 高温構造材料の作製とその特性評価
- 未利用資源および産業廃棄物の有効活用に関する研究
- ジオミメティック(コールドシンタリング)プロセスによる固化体の作製とその評価
- ジオポリマーに関する研究
メッセージ
幼少期、ハマグリやアサリの貝殻を、これは柔らかい中身を守るために必要なものだと納得しつつ、生物がその固い殻を作る神秘さに惹かれました。その貝殻を磨けば碁石にも、螺鈿という装飾に使われるものがあることも知りました。化学成分は炭酸カルシウムですが、それは通常のセラミックスのように焼いて固める手法(焼結)では固められません。なぜなら加熱中にCaOとCO2に分解してしまうからです。それを可能にしたのがジオミメティック法で、水の共存下、熱と圧力を同時に加えることで、分解に至らない温度での緻密化に成功しました。これは堆積岩が長い年月をかけて行っている生業を短時間で再現した方法といえます。現在でも貝殻由来の炭酸カルシウム固化体を手に取ると、幼少期の感性がよみがえり、本当に不思議だと感動します。
関連リンク等
