Close

X線で探る原子と材料のひみつ

X線を使って原子の並び方を詳しく調べ、材料の働きを解き明かす研究を行っています。半導体に不純物(ドーパント)を加えると、その入り方によって全く性質が大きく変わりますが、その理由を理解するには原子レベルでの構造解析が欠かせません。私たちは蛍光X線ホログラフィーという手法により、結晶中のドーパント周辺の三次元構造を可視化し、圧電材料や熱電材料などの機能向上につなげています。また、リチウムイオン電池を越えた未来の二次電池として、フッ化物シャトル電池の開発にも取り組んでいます。1つの原子が複数の電子をやり取りする「多電子反応」を利用できるため、大容量のバッテリーを開発することができます。ここでもX線を用いた構造解析を多用しており、キャリア周辺の局所構造から性能向上に向けたいくつもの提言を行っています。

物理工学類|教授

林 好一(ハヤシ コウイチ)

HAYASHI Koichi

3 すべての人に健康と福祉を
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9 産業と技術革新の基盤をつくろう

キーワード

蛍光X線ホログラフィー
材料分析
次世代蓄電池
エネルギー材料
局所構造

担当分野・プログラム

研究区分

物性物理学
材料工学
電気電子工学
応用物理工学
化学工学

研究テーマ

  • 蛍光X線ホログラフィーによるドーパントの機能発現機構の解明
  • 原子分解能磁気構造イメージング技術の開発
  • 次世代蓄電池の電極、固体電解質の量子ビームによる構造解析
  • 機能性ガラスにおける添加元素の局所構造解析

メッセージ

材料科学では、材料をマイクロ・ナノスケールで捉え、原子の配列や周囲との相互作用を解析することで、電気的・磁気的・化学的な特性を理解します。私は、こうした原子レベルの構造解析を実現する「蛍光X線ホログラフィー」の開発に長年取り組んできました。この手法では、材料中に微量に存在する特定元素の周囲の原子配列を三次元的に可視化できます。特に、従来は観測が難しかった微量元素と主要元素との協調関係を直接解析できる点が特徴です。この技術により、材料特性を生み出す元素の役割を詳細に理解でき、新機能材料の設計や高性能化への応用が期待されています。