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線形作用素がつくる環の不思議

線形作用素と、それらの集まりである作用素環を研究しています。「線形」とは足し算・引き算・定数倍することとコンパチになっている状態を指します。行列A,B,Cに対し、A(B+C)=AB+ACが正しいことはご存じのとおりです。これは行列の掛け算が、足し算とコンパチになっていることを意味し、実際、行列は線形作用素の一種です。他にも線形作用素の例はたくさんあります。二つの関数を足してから微分したものと、それぞれを微分してから足したものは一致します。微分は線形作用素の一例なのです。同様に積分も線形作用素になっています。このように線形作用素の例は多岐にわたります。私は線形作用素そのものだけでなく、線形作用素がなす集合(作用素環)の研究を行っています。この研究は単に線形代数の拡張であるだけでなく、微分方程式、量子力学など様々な分野と関係します。

基礎類|准教授

林 倫弘(ハヤシ トモヒロ)

HAYASHI Tomohiro

4 質の高い教育をみんなに
9 産業と技術革新の基盤をつくろう

キーワード

フォンノイマン環
C*環
線形作用素

担当分野・プログラム

研究区分

解析学、応用数学

研究テーマ

  • Pick補完問題とその制御理論への応用
  • 作用素平均を用いた電気回路の解析

メッセージ

私の研究はいわゆる基礎研究と呼ばれるもので、直接的に何かを作り出したり、世の中を便利にしたりするものではありません。大げさに言うと、世の中の構造・真理を解き明かそうとしています。実際にこれは大げさで、我々数学者は研究対象について日々考察し、そこで出会った疑問を解決しようと頭を絞っているだけです。壮大な目標などなくて、わからないから調べようというシンプルな動機です。しかしこのような単純な努力が、後に驚くような応用につながることがあります。病院にあるCTスキャンが、数学のフーリエ変換を利用していることをご存じでしょうか? 疑問の探求も捨てたものではありません。