井田 隆
IDA Takashi
セラミックスの秘密を解き明かす構造解析
粉末あるいは焼結体中の結晶性物質の構造を知るための粉末X線回折の方法論の研究をしています。過去にはシンクロトロン軌道放射光を光源とした粉末X線回折装置の設計と開発、計測・制御ソフトウェアの作成、装置ユーザへのサポートなどに取り組みました。一方で、例えば近紫外光・可視光・近赤外光を使った分光研究では、1990年代には既に半導体プロセスを応用した検出効率の高い半導体型検出器が用いられていたのですが、粉末X線回折の分野では2000年代まで真空管を使った効率の高くない検出器が用いられていました。このタイプの装置の集光条件と回折条件による収差がどのような数式で表されるかは2020年に私の研究室で初めて明らかになりました。最近ではコンピュータを使った計算処理をするソフトウェアを開発する環境の整備もかなり進んできました。粉末X線回折データを正しく解析する方法論の構築に取り組んでいます。

担当分野・プログラム
研究区分
物理化学、機能物性化学
研究テーマ
- 粉末X線回折法による結晶粒径分布の評価法の開発
- 金属ナノ微粒子の構造と物性
- 粉末回折法による機能性物質の構造評価
メッセージ
粉末X線回折法は、物質の定性分析(試料にどのような物質が含まれているか)・定量分析(物質の組成を知ること)を主な目的として、1940年代から広い分野で利用されてきた方法です。調査の対象となる物質は、天然鉱物や、金属・セラミックスなどの実用材料、医薬品の薬効成分などを含みます。粉末X線回折に用いられる装置の基本的なデザイン(設計)は1960年代には完成されていたと言われますが、2000年代から半導体X線検出器の普及が進み、従来と比べて圧倒的にパフォーマンスが向上しました。方法論研究は、低コスト・短時間に効率良く必要な情報を得る技術を開発することを目的とします。
