稲垣 伸
INAGAKI Shin
分子設計から拓く次世代高分子材料
高分子材料は、身の回りの製品からエレクトロニクス、医療材料まで幅広く利用されており、現代社会を支える重要な基盤技術です。一方で、持続可能な社会の実現に向けては、単に新しい材料を開発するだけでなく、資源・環境問題を意識した材料設計が強く求められています。
私の研究では、精密高分子合成を基盤として、再生可能資源由来モノマーを活用した新規機能性材料、強靭接着材料、柔軟な半導体高分子の創製に取り組んでいます。特に、分子レベルで構造を設計・制御することで、材料の性質や機能がどのように発現するのかを明らかにし、新しい材料設計指針を構築することを目指しています。
研究を通じて、環境負荷の低減や資源循環に貢献できる材料の可能性を探るとともに、社会で求められる機能と学術的な面白さを両立した材料開発を進めていきたいと考えています。

担当分野・プログラム
研究区分
高分子、有機材料
研究テーマ
- バイオマスを用いた強靭接着剤開発
- クリックケミストリーを用いたバイオベース高分子の多機能化
- 精密重合を用いた特殊構造高分子の合成
- 柔軟な半導体高分子の合成
メッセージ
私が研究で重視しているのは、分子の設計と材料の機能をつなぐことです。高分子材料の性質は、分子構造や分子量、組成などのわずかな違いによって大きく変化します。そのため、狙った構造をもつ材料を合成し、その構造と性質の関係を調べることを大切にしています。また、新しい材料設計手法の開発に加え、環境負荷の低減や資源循環に貢献するバイオベース材料など、社会課題の解決につながる研究に取り組んでいます。基礎的な理解を大切にしながら、実際に役立つ材料へと発展させることを目指しています。学生や共同研究者との議論を通じて多様な専門性を融合し、新しい価値をもつ材料を創出していきたいと考えています。
