伊藤 愛
ITO Megumi
上陸が駆動した脊椎動物の心臓進化に迫る
脊椎動物の心臓は、生息環境や活動様式に適応する過程で、その形態や構造が変化してきたことが知られています。しかし、我々哺乳類が高い機能を持ちながらも心不全に陥りやすい心臓を、どのような進化を経て獲得したのかについては、十分に解明されていません。そこで、脊椎動物の進化史における最大のイベントの1つである「上陸」に着目し、生息環境の変化が心臓の力学特性や構造にどのような影響を及ぼすのかを調査しています。臓器・組織・細胞レベルでの加圧試験や引張試験といった力学試験や組織構造の解析を通じて、脊椎動物における心機能進化の方向性を解明し、最終的には心不全治療法の創出につなげることを目指しています。

メッセージ
現代社会において心不全の克服は大きな課題ですが、我々哺乳類の心臓がなぜ脆弱な側面を持つのかは、いまだ十分に解明されていません。進化の歴史をさかのぼり、心機能の遷移を解き明かすことは、心不全の新たな治療法を創出する確かな一歩になると信じ、日々研究に励んでいます。
