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地球上で家に困る人が快適で丈夫な家をもつあたりまえを実現する

建築を単に空間を設計する技術としてではなく、人が再び生きる力を取り戻すための社会装置として捉えてきました。東日本大震災後の避難所で、ふたりの小学生から「大学の先生ならすぐに家を建ててよ」と言葉をかけてもらった瞬間、私にとって建築学は研究対象である以前に、果たすべき使命となりました。インスタントハウスはその問いへの応答のひとつです。膜素材を空気で膨らませ、内側に断熱材を吹き付けることで、誰もが、どこでも、短時間で、快適かつ丈夫な居場所をつくることを可能にする建築技術です。世界中で頻発する、災害、難民、貧困、戦災といった極限状況において、住まいは単なる避難場所ではなく、尊厳と希望を守る最後の砦です。研究・開発・実用化・現地実装を一体のものとして進め、地球上で家に困る人々が快適で丈夫な家をもつことがあたりまえとなる世界の実現に向けて、建築の可能性を問い続けています。

社会工学類|教授

北川 啓介(キタガワ ケイスケ)

KITAGAWA Keisuke

1 貧困をなくそう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任つかう責任
16 平和と公正をすべての人に

キーワード

建築設計
建築意匠
建築計画
防災工学
インスタントハウス

担当分野・プログラム

研究区分

建築学
社会システム工学、安全工学、防災工学
思想、芸術
文学、言語学
社会学

研究テーマ

  • 多元的性能を内包する建築設計の統合的手法に関する研究
  • 建築の言語化に潜在する多義性と多態性の構造的解明
  • 空間経験を形成する知覚と意味生成のダイナミクスの研究
  • 形式・構法・意味の相互浸透による建築的秩序の再定義
  • 設計行為における思考の外在化と創造プロセスの方法論的探究

メッセージ

今の私にとっての研究とは、世界の痛みに耳を澄ますことからはじまります。災害で家を失った人、戦争から逃れてきた人、安心して眠る場所をもてない人が、今この瞬間も地球上にいます。私は、その現実の前で、建築家として、研究者として、何ができるのかを問い続けてきました。インスタントハウスは、単なる発明品ではありません。「もう一度おうちをもって希望をもって未来を歩んでいこう」という願いを実現するための建築です。皆さんの中にある小さな疑問、悔しさ、誰かを助けたいという思いは、決して小さくありません。それを楽しく磨き続けることで、やがて社会を動かす力になり、自身の夢も、皆の夢も、自然と実っていきます。