小林 亮哉
KOBAYASHI Ryoya
英語の統語構造の通時的変化に関する実証的・理論的研究
英語学を研究分野とし、生成文法という理論を用いて英語の文の形が歴史の中でどのように変化してきたのかを研究しています。具体的には、現代英語の語順や文の構造がどのように成り立ち、どのような変化を経て今の形になったのかを探っています。現代英語の語順は「主語・動詞」を基本としますが、「(助)動詞・主語」のように語順が入れ替わることがあります。言語学では、この現象を倒置と呼びます。倒置は一見すると通常の語順とは異なるやや特異な現象ですが、それでも「言語のルール」の範囲に収まっているため、自然な表現として用いられます。私は、昔の英語から今の英語に至るまでのデータをもとに、倒置現象の成り立ちとその変化を明らかにしようとしています。さらに、「なぜ倒置が可能なのか」や「なぜ現在の形へ変化したのか」という問いに対して、すべての言語に共通するとされるルール(生成文法)の観点から説明を与えることを試みています。

メッセージ
私の研究は、一見すると社会貢献などに直接的に結びつくものではないかもしれません。しかし、個々の言語の違いや変化の背後にある共通の原理を明らかにすることは、「人間とは何か」を深く理解することにつながると考えています。言語は人間固有の能力であり、私たちの思考やコミュニケーションを支える基盤です。研究活動を含め、人間の多くの知的活動は言語を通して行われています。数ある言語の中で、私は英語を研究対象とし、その語順や歴史的な変化を探ることで、「人間はどのような言語の仕組みを持っているのか」という問いに向き合っています。
