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日本の産業を支える加工技術の知能化に挑戦

スマートフォンや自動車など、身の回りの製品の多くは、「工作機械」と呼ばれる機械で金属を削って作られています。私は、この機械加工をより賢く自動化するために、工作機械に「感覚」を持たせるような研究をしています。たとえば、工具が工作物にそっと触れた瞬間を機械自身が察知できれば、これまで人が手作業で行ってきた原点合わせや段取りを自動化でき、機械の幾何誤差も自己診断できるようになります。また、加工中に発生する望ましくない振動である「びびり振動」を監視し、機械自身がその原因を見分けて適切な対策を選択する技術にも取り組んでいます。熟練の職人が指先や音で機械の調子を感じ取るように、機械が自分の加工状態を理解し、適切に判断できるようにすることが本研究の目標です。

電気・機械工学類|助教

LEE Kyungki(イ キョンキ)

LEE Kyungki

9 産業と技術革新の基盤をつくろう

キーワード

生産工学
切削加工
加工知能化
超精密加工

担当分野・プログラム

研究区分

材料力学、生産工学、設計工学

研究テーマ

  • 接触検知技術に基づく工作機械の幾何誤差自己同定および段取り省力化
  • ミリング加工における加工条件・問題現象の同時モニタリング技術の開発
  • 楕円振動切削における金型鋼が単結晶ダイヤモンド工具摩耗に及ぼす影響解明
  • 振動軌跡とエネルギー流入率に基づくびびり振動成長機構の定量診断

メッセージ

私の研究の出発点は、「ものづくりの未来をどう支えるか」という問いです。日本のものづくりは今、熟練技術者の高齢化と人手不足という大きな転換期を迎えています。長年の経験と勘によって支えられてきた現場の判断を、次の世代にどう引き継いでいくか、それは私たちの暮らしを支えるものづくり産業に直結する社会全体の課題です。私が目指しているのは、経験のある一部の人にしかできなかった判断を、機械自身に任せられる技術へと変えていくことです。そうすることで、これまで属人的にしか伝えられなかった熟練の暗黙知が、機械を通じて次の世代へと引き継がれていく、そんな日本のものづくりの未来を実現したいと考えています。