牧野 武彦
MAKINO Takehiko
摩擦を理解して進化するものづくり
金属材料を対象に、塑性変形を利用した成形加工や、工具と材料の界面で生じる摩擦・潤滑のメカニズムを解明する研究を行っています。成形加工では、小さいサイズの素材を高い精度で変形させるための新しいプロセスや計算手法を考案し、加工精度や材料特性の向上を目指しています。また、加工時に生じる摩擦と凝着(工具に材料が付くこと)の測定方法の開発にも取り組んでいます。これに関して、工具のコーティング(工具の表面に硬い皮膜をつける)材料の探索も行っています。さらに、3Dプリンタを活用した軽量で強度に優れたセル構造体を計算科学とAI技術を使って設計する研究も進めています。ものづくりの幅を広げる新しい構造体の創成を目指しています。材料加工と界面科学の両面から、持続可能で高機能な製造技術の実現に挑んでいます。

担当分野・プログラム
研究区分
材料力学、生産工学、設計工学
研究テーマ
- 薄肉部変位検出法による成形加工中の摩擦係数の直接測定
- 接触電位差測定を含む連続プロセスにおける加工条件と凝着量の関係
- 成形加工中の凝着挙動を再現する機械学習ポテンシャルの構築
- 拡散型生成モデルを用いた材料探索と機械学習ポテンシャルによる凝着評価を組み合わせた耐凝着性工具皮膜の提案手法
- 曲面に沿ったセル構造体のAIエージェントを用いた設計
メッセージ
私たちの身の回りには、多くの金属製品があります。それらを安全に、軽く、長く使うためには、金属を高精度に加工する技術が欠かせません。私は、小さな部品でも精密に成形できる新しい加工方法や、計算による解析技術の開発に取り組んでいます。また、加工中に起こる工具への材料の凝着は、製品品質や工具寿命を低下させるため、凝着量を正確に測定する方法や、特殊な工具コーティング材料の探索も行っています。さらに、3DプリンタとAIを活用し、軽くて強い新しい構造体の設計にも挑戦しており、省資源化やエネルギー削減につながる次世代のものづくりを目指しています。
