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利己的なエージェントによる向社会的行動の強化学習

複数の行動主体(エージェント)が存在するマルチエージェント環境では、各エージェントの相互作用により、人間社会のように競争や協力などが起こります。強化学習は、エージェントが自分の利益を大きくする行動を学習する、人間を含む動物の学習に類似した人工知能の手法です。我々は、マルチエージェント環境において、強化学習によりエージェント間の協調をもたらす研究を行っています。特に、個々の利益と集団の利益が一致しない混合動機環境において、エージェントがそれぞれ強化学習を行うと、個々の利益が優先され、集団の利益が低下します。これは、集団の観点で見ると望ましくありません。そこで、利益に加えて内発的報酬を用いることで、集団の利益を優先する向社会的行動を学習することを目指しています。さらに、この内発的報酬を生成する仕組みが、個人的利益から生じるかどうかを調べています。

情報工学類|准教授

森山 甲一(モリヤマ コウイチ)

MORIYAMA Koichi

1 貧困をなくそう
8 働きがいも経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
16 平和と公正をすべての人に

キーワード

人工知能
強化学習
マルチエージェントシステム
ゲーム理論
混合動機環境

担当分野・プログラム

研究区分

人間情報学
応用情報学
情報科学、情報工学

研究テーマ

  • 強化学習による複数エージェント間の協調行動の獲得
  • 人間の非合理的な側面と意思決定の関係のモデル化
  • 強化学習の応用

メッセージ

もともと、人工知能の研究は人間の知的な能力を計算機で実現することを目的として始まりました。近年は技術が急速に発展し、人間の能力を大きく超えています。もはや人工知能は人間から学ぶことはないのでしょうか。現在の人工知能システムの多くは人間を補助する存在で、結果の評価は人間が与えています。よって、人間の善意だけでなく悪意も反映してしまいます。どうすればこの問題を解決できるでしょうか。人間にあって人工知能システムにないものとして、感情などの非理性的な側面があります。感情が事象の評価に大きく関係していることは明らかです。このあたりにこれからの人工知能の研究のヒントがあると思っています。