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理学と工学をつなぐ超分子化学の挑戦

有機化学と超分子化学を基盤として、新たな構造をもつ分子や集合体の創出と新機能の開拓に取り組んでいます。常識を超えた構造をもつ有機分子をデザインし、合成法を開発して実際に合成することにより、通常の分子では見られない特異な性質や反応性を探求しています。また、事前に分子に組み込んだプログラムに基づいて、分子を螺旋構造など特定の構造に組織化する方法の開発や、結晶中ですべて同じ方向を向いて並ぶ分子の創出と新たな光学材料への応用も行っています。さらに、分子を非常に強く結びつける多重水素結合系を開発して、それを会合部とした超分子ポリマーを実現し、その固有の特徴を活かした超分子リビング重合の開発やカーボンナノチューブ分離分散材への応用にも取り組んでいます。独自の構造モチーフや新たな概念を追求する理学的な探究心と工学的な応用展開を両立させた研究が特色です。

生命・応用化学類|教授

大北 雅一(オオキタ マサカズ)

OHKITA Masakazu

7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
12 つくる責任つかう責任
14 海の豊かさを守ろう

キーワード

超分子化学
自己組織化
有機π電子系
構造-機能相関
ナノサイエンス

担当分野・プログラム

研究区分

有機化学
高分子、有機材料
物理化学、機能物性化学

研究テーマ

  • 極限的な構造をもつ高ひずみシクロファン類の創出と特性解明
  • 新規有機π電子系の創出と光機能材料・有機半導体材料への応用
  • 螺旋自己組織化オリゴマーの創出と階層的組織化による高次構造形成
  • CH…N水素結合を活用した結晶工学:二次非線形光学材料開発への応用
  • ジッパー型多重水素結合系の開発と新規超分子ポリマー創出への応用

メッセージ

有機化合物の結合や構造と特性(性質や反応性)は互いに関わり合っており、その関係を深く理解することは重要です。そこで、共有結合の限界に挑むような普通ではない構造を創り出すことに取り組み、これまで知られている中で最も折れ曲がったベンゼン環をもつ化合物の合成と特性解明までたどり着きました。次に、共有結合ではない相互作用を扱う超分子化学への展開に興味をもち、超分子化学の提唱者でノーベル化学賞受賞者でもあるJean-Marie Lehn 教授の研究室に留学し、さらに客員教授として滞在する機会を得て、知見を深め研究を発展させてきました。多様な相互作用を巧みに利用しながら自らデザインした超分子を創り出すことは、決して簡単ではありませんが、ゴールでは大きな喜びが待っている魅力的な研究だと思います。