太田 匡洋
OOTA Tadahiro
近代ドイツ哲学史の見直しから探る科学・工学と哲学の交差
西洋哲学史を専門とし、特に近代ドイツ哲学史を中心に研究しています。具体的には、倫理や哲学の教科書には出てこない、ないし「教科書から消された」哲学者である、アルトゥール・ショーペンハウアーおよび、ヤーコプ・フリードリヒ・フリース、彼の後継学派であるフリース学派、新フリース学派を扱ってきました。彼らの思想に着目することによって、19~20世紀のドイツにおける哲学と自然科学の協働関係にも光を当てて、思想と科学がどのように影響し合いながら発展してきたのかを明らかにしています。さらに、このような観点から、19~20世紀ドイツの自然科学言説を典型事例として、近代自然科学がどのように工学的モデルへと展開していったのかを包括的に検討してきました。近年はこうした成果を踏まえ、「工学とは何か」という問題を扱う哲学分野である「工学の哲学」にもアプローチし、工学と人間の関係を哲学史的視点から再考しています。

担当分野・プログラム
研究区分
思想、芸術
社会学
社会医学、看護学
人間情報学
研究テーマ
- 西洋哲学史の研究としては、これまで19-20世紀のドイツ哲学史を取り上げ、アルトゥール・ショーペンハウアーおよび、ヤーコプ・フリードリヒ・フリース、彼の後継学派であるフリース学派、新フリース学派を扱ってきました。彼らの構成する思想史的系譜の見直しは、哲学史理解そのものの根本的な刷新を伴うものになります。
- 「そもそも工学とはいかなる営為であるのか」という観点から、「工学の哲学」および「工学倫理」の研究を行っています。
- 上記の(1)と(2)の交差点として、特に(新)フリース学派に代表される19~20世紀ドイツ哲学史に見られる哲学と自然科学の協働関係に注目し、同時代の自然科学に認められるべき「工学化」の兆候を、当時の自然科学言説から取り出す試みをしています。
メッセージ
「そもそも工学とはなにか」。この、あまりに大きな問いに答えるべきなのは、科学者なのか、哲学者なのか。この問題を調停する場が、19-20世紀のドイツの言論空間に存在します。折しも自然科学の「工学化」が進んでいた19-20世紀のドイツでは、科学者と哲学者が積極的にコラボレーションしており、科学者が哲学的な学問論について、そして哲学者が科学方法論について、様々な言説を述べていました。私の研究は、この言説を歴史的に再発掘するとともに、現代における「工学の哲学」のフレームワークに取材することで、「工学の哲学」を思想史的な脈絡のもとで立体的に再構成することを目指しています。
