佐藤 尚
SATO Hisashi
加工プロセスの本質を解き明かし構造材料の未来を創造する
最新の材料組織評価技術で加工プロセスの本質を解き明かし、その知見を基に構造材料に新たな価値を創造することを目指して研究を行っています。材料の強度・延性、耐摩耗性、磁気特性などの性質は、材料内部の微細な組織によって決まります。そして、その組織は加工や熱処理といった製造プロセスによって形成されます。しかし、長年利用されてきた加工プロセスの中には、そのメカニズムが十分に理解されていないものも少なくありません。
そこで私たちは、最先端の組織評価技術を用いて材料内部で起こる変化をナノからミクロのスケールで詳細に観察し、従来の加工プロセスを新たな視点から再検討しています。得られた知見をもとにプロセスを精密に制御することで、従来の構造材料にはなかった性能や機能を引き出し、新たな材料価値の創出に挑戦しています。
近年は、ショットピーニングによる金属表面の結晶方位制御や、三次元組織可視化技術を活用した高強度・高延性アルミニウム合金の開発に取り組んでいます。これらの成果は、自動車、航空宇宙、電気機器など幅広い分野での材料革新につながることが期待されています。

担当分野・プログラム
研究区分
研究テーマ
- 表層巨大ひずみ加工を駆使した構造材料表面結晶方位制御技術の構築
- 組織3次元可視化技術を用いた高強度・高延性アルミニウム合金の開発
- 高分解能電子線後方散乱回折法による加工プロセス技術の素性究明
- 遠心鋳造法を応用した自己潤滑軸受保持器の開発
- 表層巨大ひずみ加工を用いた傾斜機能鉄鋼材料の製造原理構築
メッセージ
金属材料やその加工技術は長い歴史を持つため、「すでに研究し尽くされた分野」と思われがちです。しかし、最新の電子顕微鏡などの評価技術を用いて詳しく調べると、教科書の説明だけでは理解できない現象が見つかったり、従来の材料や加工技術に新たな用途や機能を見いだせたりすることがあります。私達は、従来から使われてきた金属材料や加工技術を最新の視点で見直し、その本質を解明することで、“+αの価値”を持つ新しい金属構造材料の創出に挑戦しています。この研究を通じて、資源やエネルギーを有効活用し、低炭素社会の実現に貢献したいと考えています。
