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ナノスケールから理解する蓄熱と熱輸送のしくみ

私たちは、余剰な熱を化学エネルギーとして蓄え、必要なときに取り出せる「化学蓄熱」について研究しています。この技術は、材料が水分子を吸着・脱着(水和・脱水)する際の化学反応熱を利用しています。
特に、結晶構造の中にナノレベルの微細な穴(細孔)を持つ「多孔性材料」に着目し、新しい化学蓄熱材料の開発を目指しています。熱を効率よく蓄えたり取り出したりするためには、この極めて小さな細孔の中で水分子や熱がどのように動くのかを理解することが重要になります。そこで私たちは、ナノスケールの細孔空間内での水分子の拡散挙動や分子レベルでの熱の移動挙動、そしてそれらと細孔構造の相関について詳しく調査しています。こうした基礎研究を通じて、エネルギーを無駄なく活用できる高効率な化学蓄熱材料の実現に貢献したいと考えています。

物理工学類|助教

鎮目 邦彦(シズメ クニヒコ)

SHIZUME Kunihiko

9 産業と技術革新の基盤をつくろう

キーワード

化学蓄熱
ナノスケール熱伝導
水和反応機構
多孔性材料

担当分野・プログラム

研究区分

材料工学

研究テーマ

  • 化学蓄熱材開発を加速するための自動合成・ハイスループット評価手法の構築
  • 多孔性材料におけるナノスケール熱伝導機構の解析

メッセージ

私が専門とするのは材料科学・材料工学と呼ばれる分野です。これは、物理や化学の現象を活用して、新しい機能を持つ材料や、より優れた性能を引き出すことを目指す学問分野です。材料の中では、学理に基づいたさまざまな現象が実際に起こっており、それを観察し理解を深めていくこと自体が、研究の大きな魅力のひとつです。物理や化学を深く理解し、現象を思い通りに制御できれば、これまでにない材料の実現も望むことができます。まだ解き明かされていないことも多い中で、物理や化学への理解を深め、社会に役立つ新しい材料を生み出すことを目指して研究しています。