高木 幸治
TAKAGI Koji
分子構造から挑む次世代機能材料
私は主に三つのテーマに取り組んでいます。第一に、立体化学を活かした新しい有機高分子の合成で、美しい構造を有する、導電性や発光性といった機能を持つ材料の創出を目指しています。材料の電子・光学的な性質を正しく理解するとともに、共同研究によるデバイス化も進めています。第二に、ビニルモノマーを精密に重合できる有機触媒の開発で、室温や水がある条件でも綺麗に進行する重合の仕組みを探り、これまでにない発想に基づく触媒の探索を進めています。第三に、イミダゾールと呼ばれる五員環を母骨格とする発光材料の合成に取り組んでおり、光励起状態で起こるプロトン移動を利用して、長波長発光や高輝度発光を引き出す分子の設計を進めています。これらの研究を通して、新しい高分子化学や構造有機化学の可能性を切り拓くことを目指しています。

担当分野・プログラム
研究区分
高分子、有機材料
研究テーマ
- 芳香族アミドの立体構造を活用した電子光機能性ソフトマテリアルの開発
- 高周期元素化合物を触媒として用いるビニルモノマーの新しいカチオン重合
- 長波長発光・高輝度発光を可能にする励起状態の設計と分子合成
メッセージ
石油問題がニュースで取り上げられる昨今、ものづくりを取り巻く環境は決して順調とはいえません。資源やエネルギーを多く必要とするためです。一方で、日本のこれまでの成長を支えてきたのが、ものづくりを中心とする産業であることも事実です。今後は、より効率的で省エネルギーな生産や、付加価値の高い材料の開発がますます求められるようになります。こうした課題に対して、化学が果たす役割は非常に大きく、中心的な存在となることが期待されています。また、急速に進歩している人工知能の力も活用しながら、高分子化学や構造有機化学の発展に貢献していきます。
