高橋 聡
TAKAHASHI Akira
光誘起現象で探る物質の本質
光誘起相転移に代表される、光によって物質の性質を変え制御することを視野に入れる新しい光物性物理学を理論的に研究しています。光誘起相転移とは、光照射により物質の性質が劇的に変化する現象で、絶縁体から金属への転移など、さまざまな光誘起相転移が観測されています。このような秩序変化の量子ダイナミクスを解明することで、電子や格子が協同して生み出す物質の秩序に従来の研究とは異なる視点から迫ることができます。また、一般に転移は極めて高速であるため、光による物性に制御の研究は、革新的なデバイスの開発につながることが期待されます。近年の光技術の進歩により、超短パルスやコヒーレンスといった特性を活かした新しい研究領域が開かれつつあり、光物性物理学はとても面白い分野になっていると思います。

メッセージ
電子などのミクロな世界での運動を記述するのが量子力学です。不確定性原理や観測の問題など、量子力学にはとても面白く不思議な世界が広がっています。物質の性質は、大雑把には電子の状態で決まり、量子力学によりはじめて理解できるものです。物質の性質を解明する物性物理学の面白さのひとつは、量子力学の不思議な世界が目に見えるレベルで現れることにあると思います。また、物質の性質を理解することは、新しい技術の基盤となるものです。我々の行っている物性物理学の基礎的な研究は、地味に見えるかもしれませんが、応用につながっていく可能性を秘めていると思っています。
