Close

粉のばらつきを“データ”に変える材料設計

私たちの身の回りには多様な粉が活躍しています。私は粉体工学を基盤として、粉の構造を制御し、分散・凝集挙動を調べ、素材が持っているポテンシャルを最大限活かすための研究を行っています。例えば、“シリカ”という身近な素材を100 nmという小さな粒子にし、さらに小さな空洞を持つ中空粒子として樹脂に分散させると、断熱性と透明性を併せ持つ驚きの機能を発現します。このような機能は、中空構造そのものだけでなく、粒子がフィルムの中によく分散していることで初めて実現されます。しかし、ナノ粒子は凝集しやすく、その原因は粒子の性質やばらつきにあります。そのため、粒子の表面を理解し制御する技術が重要です。私は、粉の表面や構造のばらつきを適切に評価・制御する技術を確立し、機能性材料としての性能を最大限に引き出すことを目指しています。そして将来的には、自ら設計した粉が様々な分野で活用され、社会に貢献することを目標としています。

生命・応用化学類|教授

高井 千加(タカイ チカ)

TAKAI Chika

7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
12 つくる責任つかう責任

キーワード

中空粒子
時間領域核磁気共鳴(TD-NMR)
粒子合成
分散凝集
バイオマス資源化

担当分野・プログラム

研究区分

材料工学
化学工学
ナノマイクロ科学
無機材料化学、エネルギー関連化学

研究テーマ

  • ナノサイズ中空粒子のマルチスケール構造設計と機能化
  • 時間領域核磁気共鳴(TD-NMR)を中心とした粒子表面のばらつき評価
  • 食品系廃棄物由来ナノ繊維の構造設計と機能化および複合材料への展開

メッセージ

粉体は一見、単純な「粉」に見えますが、その中には解明されていない現象が多く存在しています。そのひとつである粉のばらつきを解明するためのヒントとして、私は自然の中に存在するばらつきをデータとして捉えることを試みています。例えば、カブトムシの幼虫糞の形に雌雄差があることを機械学習を使って見つけました。個体差に埋もれがちな特徴の中から雌雄差という意味のある違いを抽出できたことになります。誰もが知っている身近な対象であっても、興味を持って調べ続けてみると、思いもかけないところに発見がある。これが研究の面白さだと思います。研究って面白そう、粉体工学に興味が沸いてきた!と思ってくれる人が少しでも増えたら嬉しいです。