武田 竜弥
TAKEDA Tatsuya
産業遺産と文学から読み解く感性と社会の研究
人間の感性には2つの層があります。1つは個体や種の維持に必要な生理的感性、もう1つは美的判断や倫理的判断などに関わる心理的感性です。人間はこれら2つの層の感性を通じて自身と環境との関係を整えています。心理的感性は「個人的なもの」と思われがちですが、そこには常にすでにその個人の生きてきた社会の影響があります。言い換えるなら、心理的感性は社会性を帯びています。本研究では、様々な要因(歴史、文化、技術、風土など)によって規定される社会のあり方とそこで活動し生活する人々の心理的感性との関わりを具体的な素材(生活様式、建築、都市構造、芸術、時代思潮など)を通して探求していきます。特に注目しているのが、産業遺産と文学です。産業遺産の研究は、それを活用した産業観光の研究にも繋がっています。

担当分野・プログラム
研究区分
思想、芸術
文学、言語学
歴史学、考古学、博物館学
研究テーマ
- 感性社会学(具体的な事例を通した感性と社会の研究)
- ドイツ語圏の文学、思想、芸術
- 産業遺産、産業博物館、産業観光
メッセージ
私の研究の出発点は、近現代のドイツ文学でした。そこから個々の文学作品を生み出した作家と社会の関係を考えるようになり、やがて文学(文字テクスト)だけでなく、様々なモノやコトから見えてくる人間の感性と社会の関係に興味を持つようになりました。そうした中から浮かび上がってきたテーマの1つが、産業遺産でした。快適な社会空間を創出するには、そこで活動し生活する人々の感性に対する理解が欠かせません。感性社会学は、歴史学であると同時に未来学でもあると考えています。
