瀧川 佳紀
TAKIKAWA Yoshinori
液晶の相転移・電場応答・粘性を探る
液晶は、テレビやスマートフォンの表示材料として知られていますが、物理学では「分子の向きがそろった流体」としても興味深い物質です。私たちは、液晶が温度や電場によって相転移し、分子配向・誘電率・光学特性・粘性をどのように変えるのかを研究しています。最近は、流れの中にある液晶へ電場を加えたとき、せん断応力が一時的に大きく増減する過渡的な電気粘性効果に注目しています。この現象は、分子が回転するミクロな運動と、材料が示すマクロな力学応答が直接結びつく点で重要です。レオメーター、偏光観察、高速カメラを用いた実験計測と、エリクセン・レスリー理論に基づく解析・シミュレーションを組み合わせ、分子配向の変化が物質全体の応答として現れるしくみを明らかにし、電場で流れや力を制御する新しいソフトマター物理の開拓を目指しています。

担当分野・プログラム
研究区分
物性物理学
応用物理物性
高分子、有機材料
応用物理工学
材料工学
研究テーマ
- 液晶の相転移と誘電・光学特性に関する研究
- 電場下における液晶分子配向ダイナミクスの研究
- 液晶の電気粘性効果とせん断応力応答に関する研究
- ソフトマターの流動・粘性制御に関する研究
メッセージ
液晶は、私たちの身近な表示技術を支える一方で、分子の向き・流れ・力が互いに影響し合う、非常に奥深い物質です。私たちは、電場や温度によって液晶分子の配向が変化し、それが光学特性や粘性、せん断応力として現れるしくみを調べています。基礎的な物理法則を丁寧に理解することは、将来の機能性材料や流体制御技術の基盤になります。研究では、目に見えない分子の運動を、光学観察や精密測定を通して可視化し、数式やシミュレーションで説明することを大切にしています。身近な現象の中にある未解明の物理を見つけ、実験と理論の両面から一つひとつ明らかにしていきたいと考えています。
