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シクロデキストリンで拓く材料化学

糖質分子、とくにシクロデキストリンを原料に新しい機能性物質をつくる研究に取り組んでいます。糖は自然界に豊富に存在し、化学的に置換基を変えることで、これまでにない生理活性や特性を持つ分子へと変化させることができます。そのため、まずどのように化学変換を行うかという反応設計から始め、続いて実際に合成した化合物の性質を詳しく評価しています。シクロデキストリンは内部に空洞をもつ環状構造が特徴で、他の分子を取り込む性質を生かして消臭剤などにも利用されています。私はこの独特な構造をさらに活かし、シクロデキストリンの持つヒドロキシ基を適切な置換基に化学変換することで、新しい用途へと広げる材料化学の研究を進めています。

生命・応用化学類|教授

山村 初雄(ヤマムラ ハツオ)

YAMAMURA Hatsuo

3 すべての人に健康と福祉を

キーワード

有機化学
糖化学
シクロデキストリン
抗菌物質

担当分野・プログラム

研究区分

生体分子化学
有機化学
薬学

研究テーマ

  • 新規抗菌物質の合成と能力評価
  • アミノ酸、ペプチド、シクロデキストリンの特性を活用した新規生理活性物質の合成と物性評価

メッセージ

薬剤耐性菌による感染症は、衛生状態の整った我が国では時折、ニュースをにぎわす程度でそれほど危機感を感じないものですが、実は着実に忍び寄っています。発展途上国ではもっと深刻です。英国の委員会は「2050年までに全世界における死者数は1000万人に上り、がんによる死亡者数を上回る」と発表しました。世界銀行は「世界の年間国内総生産(GDP)が2050年には2017年比で3.8%減少する可能性があり、この数字は2008年に発生した金融危機と同程度で世界経済が危機的状況に陥る」と発表しました。これに対して私は科学者として何かできないかと考え日夜研究に取り組んでいます。