山中 千尋
YAMANAKA Chihiro
研究を研究する:日本近代における学術基盤の形成を中心に
制度や組織の変遷を通して、日本近代における学術の基盤形成を解明する研究に取り組んでいます。科学や技術は最先端や内容そのものだけではなく、社会との関わりや長い積み重ねの歴史があります。これは科学論/科学史と言われる学問分野で、科学や技術の成り立ちを理解し、事象の解釈に厚みを与えます。その中で私は、学術研究という人間の営みがどのように形成されてきたのか、それはなぜかに関心があります。とりわけ、日本における学術研究のしくみに注目し、世界の動向とともに、アカデミーや助成機関、研究所などの組織形成と展開過程を明らかにしようとしています。そうした研究者集団や制度の整備が、学問の内容や教育の方向性にどのような影響を与えたのかといった大きな構造も見出そうとしています。科学=学問=知であり、物理や化学などの「理科」だけでなく、実は数学や人文学・社会学も含まれます。学問のダイナミズムを社会的・国際的・長期的に捉えることを目指しています。

メッセージ
科学とは何でしょうか。科学はどこから来たのでしょうか。科学者とは誰のことなのでしょうか。こうした、科学の成り立ちを広く・深く分析するのが、科学史という分野です。科学は長い時間の中で人間が積み重ねてきた「知」です。学校で習うことは、過去の「問い」とその解明の結果であり、私たちは過去の人々と知的につながっているのです。科学という眼鏡で歴史を観察していくと、意外な事実や、情熱的で創造力に富んだ人間の姿が見えてきます。現代の当たり前は過去には違っていたこと、今後も変遷しうることに気づくことができるでしょう。工夫して挑戦し続けることの重要性も見出せます。科学史を通じたこれらの気づきは、皆さんが楽しく・豊かに・たくましく生きる手がかりとなります。
