吉田 江依子
YOSHIDA Eiko
生成文法で探る人間の言語能力
言語学を専門分野とし、人が言葉を使えるようになるしくみや、その変化を科学的に明らかにする研究に取り組んでいます。特に「生成文法」という考え方に基づき、生まれつき人の脳に備わっている言語のしくみを探っています。人間の言語は他の生物には見られない特別な能力であり、その解明は「人間とは何か」を考える手がかりにもなります。また近年、認知言語学の視点から新語や流行語にも注目しています。新語や流行語は、言葉が生まれ、広まり、やがて使われなくなるまでの「ことばのライフサイクル」を短期間で観察できるため、言語変化をダイナミックにとらえる手がかりとなります。こうした分析を通して、人々の考え方や社会の変化との関係を読み解くとともに、人間に内在する言語能力の特質をより深く解明することを目指しています。
担当分野・プログラム
研究区分
文学、言語学
研究テーマ
- 生成文法理論に基づく自然言語の構文解析
- 大規模言語データを用いた言語変化および新語・流行語の分析
- 認知言語学の観点からみた語形成と意味変化の研究
メッセージ
言葉は身近にありすぎて、ふだんはあまり意識されていません。言語学の面白さは、そうした日常の背後にある「目に見えない規則」を明らかにしていく点にあります。目に見えるものだけが全てではなく、私たちは無意識のうちに規則に従って言葉を使っており、その裏には精密なしくみがあります。それを発見したときの驚きや感動は、この研究の大きな魅力です。また、新語や流行語の変化を追うことで、言葉の作られ方には時代を超えた共通性や、社会や人々の考え方の移り変わりが見え、人間という存在の奥深さが感じられる点も興味深いところです。こうした視点を通して、言葉や人間について考えるきっかけを持ってもらえたら嬉しく思います。
