吉水 広明
YOSHIMIZU Hiroaki
NMRで読み解く気体輸送と材料設計
高分子膜や無機材料を対象に、気体がどのように吸着し、拡散し、透過していくのかを核磁気共鳴(NMR)を用いて評価する研究に取り組んでいます。材料内部にはナノスケールよりも小さな微小空間が存在し、その構造が気体の動きを大きく左右します。NMRを活用することで、微小空間の大きさや性質、さらには気体分子の移動速度まで非破壊で把握でき、ガス分離膜やCO2回収材料の設計に役立つ情報を得られます。また、ガス精製や環境分野で必要とされる材料の輸送特性を、既存設備で簡便に評価できる手法の開発も進めています。さらに、気体収着量や透過測定などの実験技術も組み合わせ、分離・環境用途に向けた高分子材料の新しい可能性を探っています。

担当分野・プログラム
研究区分
高分子、有機材料
研究テーマ
- 129Xe NMR法による高分子のナノ構造解析
- 高分子がつくる秩序構造のNMR法による解析
- 高分子体の中における気体成分のNMR法による拡散挙動解析
メッセージ
今後の人類社会では、天然ガスの確保や炭酸ガスの排出規制・回収など気体物質の取扱いが増えるはずです。これは持続可能な発展を実現するためにも欠かせないことです。私共の研究は、気体の取り扱い(精製、貯蔵、輸送など)を安全に行うために必要な諸材料(気体分離膜、ボンベ素材、ホース類、配管接続部品など)の性能評価につながる、今までにない分析手段の開発を目的に挑戦を続けています。研究対象としている分析技術は、気体の取り扱いに加え、水蒸気やイオンの挙動観察にも生かされます。高性能を安定に長時間維持できる電池や太陽光パネル、スマートフォンやモニター画面の開発などにも貢献する分析技術の確立を目指しています。
