神取 秀樹 特別教授 が 第8回バイオインダストリー大賞 を受賞しました
2024年7月12日掲載
第8回バイオインダストリー大賞
- 受賞者
- 神取 秀樹 特別教授
- 受賞の対象
- ロドプシンの構造と機能の解明に基づく視覚再生への展開
- 受賞者の関連サイト
- Kandori Lab. 神取研究室
- 関連するウェブサイト
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バイオインダストリー大賞とは、バイオインダストリーの発展に大きく貢献した、または今後の発展に大きく貢献すると期待される顕著な業績を上げた個人やグループに贈られるものです。
神取特別教授は、超高速分光法や赤外分光法を用いて、動物や微生物ロドプシンの光受容メカニズムを解明する基礎研究を進める中で、新しいロドプシンを発見するとともに、画期的な機能創成に成功しました。具体的には、光駆動ナトリウムポンプ、内向きプロトンポンプ、新規チャネルロドプシン、酵素ロドプシン、ヘリオロドプシンの発見および光駆動カリウムポンプ、光駆動セシウムポンプ、キメラロドプシンの機能創成を達成しました。
中でも、新規チャネルロドプシンおよびキメラロドプシンは、基礎研究から視覚再生への応用展開に至ったツールとして特筆されます。視細胞が壊れて失明に至る網膜色素変性症に対して、チャネルロドプシンの遺伝子治療による視覚再生が大きな期待を集めていますが、現状では室内照明のもとで働かない、という問題点がありました。神取特別教授が発見・創成した2つのロドプシンは、それぞれ独自のメカニズムで高い光感度を実現しており、その優れた特性を活かした視覚再生ツールとして治療への臨床応用に道を拓いています。すでにそれぞれのロドプシンに関するベンチャー企業が設立され、企業独自の取組も展開されております。
神取特別教授の功績は、ロドプシンの光受容メカニズムを解明する基礎研究に基づき、視覚再生への医療応用に道を拓く新規ロドプシンの発見・創成に成功したものであり、国内外のバイオインダストリーの発展に大きく寄与すると期待され、バイオインダストリー大賞にもっとも相応しいと高く評価されました。