社会工学専攻の木村 正子さんがLaval Virtual 2023 SIGGRAPH AWARD/REVOLUTION #RESEARCHを受賞しました。
2023年05月25日掲載
受賞者
社会工学専攻 (夏目 欣昇研究室)
木村 正子
受賞名
Laval Virtual 2023
SIGGRAPH AWARD/REVOLUTION #RESEARCH
受賞の内容
「Inclusive Quiet Room」
健常者と障がい者を隔てる「障壁」がある世界。 その障壁を取り払うことができたら、世界は優しい人々で溢れ、人々の相互理解が促進し、人への差別や偏見を減らすことができると思います。 感覚過敏により、刺激の多い場所や人混みにいるとに、パニックを起こしやすい人がいます。
本作品の制作者にも知覚過敏や聴覚過敏などの感覚過敏を持っている人がいます。 Inclusive Quiet Roomは、制作者の経験から、気持ちを落ち着かせられる空間と、映像・音の表現を組み合わせた「クワイエットルーム」です。
簡単に作れる閉鎖空間であるインスタントハウス、光感覚のスヌーズレン、没入感のあるVR映像とリラックスできる音楽、柔らかいクッションと重いブランケットを組み合わせたデジタルリハビリテーション体験を創出します。 そして、感覚過敏の人たちが落ち着きを取り戻す過程を感じていただけたらと思います。
私たちは、この作品を通じて日本をはじめ、世界で障害を抱えても当たり前に生きれる社会になる様に訴えたいです。 もっと人々が健常とか障害とか関係なく混ざり合えば楽しいことや嬉しいことを共有することこそ、私たちの世界の未来はもっと可能性を増やせると信じています。
関連動画:https://www.youtube.com/watch?v=gnnVtw4osbY
今後の抱負
この度、ヨーロッパ最大のVRコンペティション・Laval Virtual 2023にてWinnerとなり、SIGGRAPH AWARDを受賞致しました。本作品はコンピュータグラフィックス・テクノロジーの世界最高峰の国際学会であるSIGGRAPH 2023, Emerging Technologyへ招聘作品となり、今夏にアメリカ・ロサンゼルスにて展示発表が内定しました。
本作品は、作者ら自身が抱えている感覚過敏をテクノロジーを用いて補助し、社会の中で障害を抱えていても生き易くできるようにと願いを込めて制作したプロダクトです。
日頃よりご指導を頂きます夏目欣昇先生、夏目研究室の皆様、建築・デザイン分野の先生方、学内で応援して下さる先生方、名工大の博士後期課程の仲間の皆様、東京での共同研究者である藤井綺香様・伊東健一様・坪井理人様、ウィーンから音楽提供下さいました児島響様、本作品開発にご協力頂きました皆様、いつも応援して下さる皆様にこの場をお借りして心より御礼を申し上げます。
特に、本研究にて使用しておりますインスタントハウスにてご協力を頂いております北川啓介教授、株式会社LIFULL ArchiTECHの皆様、チェーンブランケットをご提供頂いておりますラーゴム・ジャパン株式会社様、ビーズクッションをご提供いただきましたyogibo株式会社様に心から感謝しております。今後も日々研究に励み精進します。ありがとうございました。