Close

工学専攻機械工学プログラムの溝口睦実さん、長瀬翔さん、南川実希さん、近藤雄大さんが生体医工学シンポジウム2026にてベストポスターアワードを受賞しました

Campus life

学生生活

2026年10月 6日掲載


受賞者

工学専攻 博士前期課程 機械工学プログラム (医用生体工学研究室)

溝口睦実

長瀬翔

南川実希

近藤雄大

受賞名

生体医工学シンポジウム2026 ベストポスターアワード

(生体医工学シンポジウム2026)

受賞の内容

溝口睦実「腹部大動脈の狭窄に対して留置するステントグラフトの径が グラフト前後圧力差に及ぼす影響」

腹部大動脈狭窄に対するステント治療では、血管損傷を避けつつ圧力差を改善できる適切な径の選択が重要です。本研究では、仮想ステントモデルを用いた数値流体力学計算により、ステント径が圧力差に及ぼす影響を検討しました。その結果、ステント径の増大による圧力差改善効果は次第に飽和し、臨床で使用された径よりも小さい径でも、同程度の効果が得られる可能性が示唆されました。

261001_mizoguchi image_sugita.jpg

長瀬翔「心筋細胞の膜リモデリングに伴う脂質特性変化~脂質から探るT管膜の維持機構~」

心筋細胞には、心機能を支えるT管膜と呼ばれる膜構造が存在します。しかし、高血圧に伴ってT管膜の向きや形が変化し、正常な構造が失われていくことが知られています。本研究では、この変化に膜を構成する脂質がどう関与するのかを、膜流動性と脂質組成の両面から調べました。その結果、高血圧に伴うT管膜の構造変化の背景には、膜の向きに応じた脂質特性の違いや膜の性質の不均一化がある可能性が示唆されました。本成果は、脂質の観点からT管膜の維持機構を理解するための新たな手がかりとなるものです。

261001_nagase image_sugita.jpg

南川実希「大動脈壁内の間質流はどこを流れるのか?~色素・蛍光溶液を用いた顕微観察~」

血管壁内の間質流は、内弾性板の孔を通って半径方向に流れるとされていますが、その実証はなされていません。そこで、間質流の流路解明を目的として検討を行いました。壁への色素流入時の断面観察では、平滑筋細胞層への部分的な流入と周方向への優先的な流入が見られました。蛍光液流入時の顕微観察では、周方向の流れや孔からの流入は確認できませんでした。一方、色素流入後に電子顕微鏡で観察すると、弾性板内部に色素が確認されました。以上の結果より、間質流は弾性板内部を通ることが示唆されました。

近藤雄大「ヒト大動脈壁の破壊開始領域と内皮細胞分布や局所ひずみとの関係」

大動脈解離の発症機構は未解明です。本研究では、解離発症位置の特性を得るべく、壁内の内皮細胞位置や局所ひずみと破壊開始位置との関連を調べました。薄切試料の周方向単軸引張試験をした結果、内皮細胞と破断との明確な関係は得られませんでした。一方、試料の半数以上では大動脈解離のような周方向の亀裂が生じ、亀裂開始箇所では局所半径方向ひずみが大きい例が多く、これが亀裂発生要因と考えられました。

受賞者のコメント

溝口睦実さん

このたびの受賞を大変光栄に思います。本研究の遂行にあたり、中村教授をはじめ、杉田教授、氏原教授、金子助教、伊藤助教、医用生体工学研究室の皆様にご指導を賜り、藤田医科大学の櫻井祐補先生および山之内大先生には医学的な観点からご指導いただきました。ともに切磋琢磨した仲間や家族の支えに感謝し、今後もこの成果を糧に一層精進してまいります。

長瀬翔さん

このたびは、このような賞をいただき、大変うれしく思います。本受賞は、氏原教授をはじめとした先生方のお力添え、そして仲間や家族の支えがあってこそ実現したものだと思っております。心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も研究に一層励み、より良い成果を目指して取り組んでまいります。

南川実希さん

このたび、生体医工学シンポジウムにおいて、ベストポスターアワードを受賞することができ、大変嬉しく思います。今回の発表では、研究の背景や実験結果について多くの方々から貴重なご意見やご質問をいただき、研究をさらに深めるための新たな視点を得ることができました。今回の受賞を励みに、今後も一つ一つの実験を大切にしながら研究に取り組みたいと思います。最後に、本研究を支えてくださった先生方や研究室の皆様に心より感謝申し上げます。

近藤雄大さん

このたびは、ベストポスターアワードという賞をいただき、大変光栄です。ご指導いただいた先生方、研究室の皆様、貴重なヒト大動脈試料をご提供くださった金沢大学附属病院の皆様に心より感謝申し上げます。本研究では、周方向への引張でも大動脈解離に似た亀裂型の破断が生じ、その領域では半径方向のひずみが大きいことを見出しました。今後は解離患者の試料で検証を進め、発症機序の解明につなげたいと思います。

260930_award4_sugita.jpg
左から、南川さん、長瀬さん、溝口さん、近藤さん