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ロドプシンが紡ぐ光と生命の分子機構

ヒトから微生物まで、多くの生物は光を受容し、情報やエネルギーへと変換しています。私は膜タンパク質であるロドプシンに注目し、光がどのように生命現象を駆動するのかを分子レベルで解明することを目指しています。視覚を担う動物ロドプシンや、イオンポンプ・チャネル・センサー・酵素として機能する微生物ロドプシンでは、光吸収が引き金となってタンパク質の構造変化が起こり、多様な機能が発現します。しかし、その詳細な仕組みはよくわかっていません。そこで赤外分光法や電気生理学的手法などの実験手法を駆使することで、ロドプシンが生み出す高度な光応答機構の全体像に迫っています。メカニズム研究の過程で発見・創成したロドプシン分子は、生命活動の光制御として知られる「光遺伝学」のツールとして使われていますし、光遺伝学における医療応用の代表例として知られる視覚再生ツールとして、失明した方に光を届けようとしています。

生命・応用化学類|特別教授

神取 秀樹(カンドリ ヒデキ)

KANDORI Hideki

7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
12 つくる責任つかう責任
14 海の豊かさを守ろう

キーワード

ロドプシン
赤外分光
水分子
光エネルギー変換
光情報変換

担当分野・プログラム

研究区分

分子レベルから細胞レベルの生物学
物理化学、機能物性化学
生体分子化学
生体の構造と機能
ブレインサイエンス

研究テーマ

  • 光応答性タンパク質の分光学を用いた機構研究
  • 光応答性タンパク質の電気生理学を用いた機構研究

メッセージ

私は常日頃から学生に対して「面白い研究をしよう」と言い続けている一方、「役に立つ研究をしよう」とは一度も言ったことがありません。皆さんの税金を使って研究を行ってきましたが(結構、大きな金額です)、「皆さんの生活の役には決して立たない」一方、「百年後、皆さんの孫や曾孫が喜ぶことになる」と言い続けてきました。大学の研究とはそういうものであり、子供のころから持っていた好奇心を忘れず、1つの疑問を深く掘り下げる姿勢が大切です。私自身の場合、基礎研究を続ける中から社会実装にもつながるような成果が生まれてきたのは驚きでした。これだから研究はやめられませんね。