森西洋平教授(電気・機械工学専攻)、玉野真司准教授(電気・機械工学専攻)、吉住文太(機能工学専攻・博士後期課程卒、現(株)豊田中央研究所)が平成27年度 油空圧機器技術振興財団 論文顕彰を受賞
2016年6月20日掲載
平成27年度 油空圧機器技術振興財団 論文顕彰
- 受賞者
- 森西洋平教授(電気・機械工学専攻)、玉野真司准教授(電気・機械工学専攻)、吉住文太(機能工学専攻・博士後期課程卒、現(株)豊田中央研究所)
- 受賞の対象
- 圧縮機の吐出用リード弁における開き遅れ挙動の計算(弁変形―ガス流れ―油膜流れ連成計算のためのモデル化)
- 受賞者の関連サイト
- 流動デザイン研究室(森西・玉野・山田研究室)
- 関連するウェブサイト
- 公益財団法人 油空圧機器技術振興財団
自動車空調用圧縮機にはレシプロ形式に代表される容積形が広く使用されていますが、その損失には弁の開き遅れに伴うボア内の過圧縮が大きく影響し、そのメカニズムの解明と制御には弁挙動の詳細な理解が必要となります。著者らの研究グループは、空調用圧縮機の吐出弁として多用されるリード弁の開き遅れ挙動を対象に、開弁に至るまでの遷移過程とそのメカニズムを実験と計算により考察しました。受賞論文では、リード変形-ガス流れ-油膜流れ、の連成計算モデルを構築し、実験結果との比較から開き遅れ挙動の再現に必要なモデルの条件が特定されています。特に、開き遅れ時間の正確な再現にはキャビテ―ションのモデルが必須であること、ならびにそのモデルは油膜圧力の絶対負圧を表現できる必要があることが明らかにされています。本研究の成果は、学術上の独創性が高く、また油空圧機器の弁設計に有用な知見を与えるものであるとして今回の受賞となりました。