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2024年度 学部学位記授与式式辞(2025年3月)

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大学案内

ceremony_gakubu.jpg卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんが本日ここに立つまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。その努力と忍耐、そして希望を持ち続けられたことに、心から敬意を表します。

皆さんは、2020年から2023年にかけて、COVID-19の爆発的な流行の中で大学入試から学生生活を過ごされた世代です。あの時期、社会全体が混乱し、自由な交流や活動が制限される中で、学び続けること自体が大きな挑戦だったと思います。本学においてもオンライン授業、研究や実習の制約、そして孤独感――それぞれの環境で困難を乗り越え、今日の卒業を迎えられたことは、皆さんの強さと適応力を物語っています。

COVID-19の爆発的な流行の時期を通じて、私たちは「本当に大切なものは何か」について深く考える機会を得ました。科学や技術の重要性はもちろんのこと、人と人とのつながり、社会全体の連帯感の大切さが浮き彫りになりました。皆さんはこの経験を通じて、ただ専門的な知識を得ただけではなく、複雑な課題に対処する力や、変化に対応する柔軟性を身につけられたのではないでしょうか。

私たちは「心で工学」を理念に掲げています。技術者や研究者としての能力を発揮するだけでなく、人間としての誠実さや責任感を持って社会に貢献することが、この理念の本質です。工学の力で社会に貢献する際には、常にこの理念を心に留めてください。本学で多くのことを学んできた皆さんにわたしからのお願いは、「誠実であれ」、ということです。生きていくうえで誠実さに勝る武器はありません。これから先、人生の中で再び大きな試練に直面することがあるかもしれませんが、それを心に留めておいてください。

私たちは皆さんの未来に大きな期待を寄せています。そして、人生100年時代と言われるいま、このさきざきで名古屋工業大学はいつでもあなた方を応援し、ささえるプラットフォームであることを忘れないでください。どうぞいつでもこの場所に戻り、次なる挑戦の糧を得てください。

卒業生の皆さんの未来が、希望に満ち、光り輝くものでありますよう、心よりお祈り申し上げ、わたしの式辞といたします。

本日は誠におめでとうございます。

 

2025年3月26日
名古屋工業大学長
小畑誠