2025年度大学院入学式式辞(2025年4月)
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大学案内
新入生の皆さん、名古屋工業大学へようこそ。
今日この日に、皆さんを名古屋工業大学にお迎えすることができたことは、教職員、在学生、卒業生、そして本学に関わるすべての人々にとって大きな喜びであります。
また、ご列席のご家族、ご親族の皆さまにも心からのお喜びを申し上げます。皆さまのご支援があったからこそ、今日の新たな門出があります。
名古屋工業大学は、1905年に創立され、120年の歴史と伝統を誇る大学です。その間、約8万人の卒業生が工学を通じて社会に貢献し、産業の発展や技術革新に寄与してまいりました。このような伝統を受け継ぎながらも、私たちは常に未来を見据え、時代に応じた教育と研究に挑戦し続けております。
本学のスローガンである「心で工学」には、単なる技術者としてではなく、人々の生活や社会のあり方を深く思い、工学の力でより良い未来を創造するという志が込められています。このスローガンは、皆さん一人ひとりが、単に知識やスキルだけでなく、豊かな人間性や社会性を育むことを大切にしてほしいという私たちの願いそのものです。
新入生の皆さん、これからの大学院生活は、これまでに培った知識と経験をさらに深化させ、自らの研究を深める絶好の機会です。専門性の高い学問や最先端の研究に取り組むことで、皆さんの可能性はさらに広がるでしょう。また、同じ志を持つ仲間や多様な視点を持つ研究者との交流が、皆さんの成長を大いに促すはずです。これまでの枠にとどまることなく、未知の課題にも果敢に挑戦し、新たな知の地平を切り拓いてください。
かつてアメリカの最高裁判所判事として活躍したルース・ベイダー・ギンズバーグ、RBGと呼ばれた彼女のことばをここでご紹介します。彼女が1956年にロースクールに入学した当時、女性は極めて少なく、厳しい視線にさらされました。それでも彼女は多くの困難をのり越えてトップクラスの成績で卒業し、法曹界で輝かしい功績を残しました。
その彼女はこう言っています。
「本当に大切なのは、自分が何をしたいのかを知り、それを貫く勇気を持つこと。」
失敗を恐れず、試行錯誤を重ねる中で、人間は成長していきます。若い皆さんには、試行錯誤を重ねる特権があります。その特権を存分に活かし、自らの限界を決めずに挑戦し続けてください。
また、RBGが母からの教えとして守り続けた、「怒りに支配されるな」という言葉があります。皆さんがこれから出会う新しい環境の中では、時には困難なことや理不尽なことに直面するかもしれません。しかし、そのときこそ、冷静に学び、考え、行動することが大切です。
皆さんの未来は、自分自身の手によって切り拓かれていきます。ぜひ、自分の道を見つけ、信念を持って進んでください。
最後になりますが、これから始まる大学院での生活が、皆さんにとって充実したものとなることを心から願っています。
自らの信じる道を進み、挑戦し続ける精神を忘れずに、名古屋工業大学の一員として、共に学び、成長し、未来を築いていきましょう。
あらためて、本日は誠におめでとうございます。
2025年4月6日
名古屋工業大学長 小畑 誠