白井研究室の研究成果がCatalysis Science & Technology 誌の「Outside Front Cover」に選ばれました
Research
研究・産学官連携
2026年5月20日掲載
白井研究室が開発した5配位アルミニウム (Al(V)) を豊富に含んだアモルファスアルミナ触媒合成に関する研究論文「Tailoring amorphous alumina catalysts with enriched five-coordinated aluminum via pH control」が高く評価され、英国王立化学会が刊行するジャーナル『Catalysis Science & Technology』のOutside Front Coverに選ばれました。
地球上に極めて豊富に存在するアルミニウム資源から得られるアモルファスアルミナは、安価で化学的安定性が高いだけでなく、結晶構造を持たないがゆえに5配位アルミニウム (Al(V)) と呼ばれる特殊な原子配列を多く含んでいます。このAl(V)は、触媒反応や貴金属のアンカーサイトとして働くため、「スーパー5」とも称される重要な構造です。本研究では、水酸化アルミニウムゲルの生成過程において緩衝液 (バッファー) の濃度とpHを制御し、Al(V)サイトの質と量の最適化を試みました。これにより、アルミナ自体が触媒として機能する新奇高活性触媒の開発に成功しました。さらに、固体NMRスペクトルの詳細な解析により、Al(V)には「三方両錐型」と「四角錐型 (ピラミッド型)」という2つの異なる構造が存在し、四角錐型が触媒反応に寄与していることを突き止めました。これら知見に基づき、1 mMの緩衝液を用いてpHを最適化した条件下では、純粋なアモルファスアルミナのみを用いて、揮発性有機化合物 (VOC) の中でも代表的な環境汚染物質である酢酸エチルの100%完全分解を達成することに成功しました。本研究で確立したpH制御によるアモルファスアルミナは、既存の研究とは異なり高価な貴金属を一切使用しない"貴金属フリー触媒"の設計指針を提示するものであり、大気浄化技術の低コスト化・高効率化を通じてSDGsの達成に大きく貢献すると期待されます。
発表雑誌
<発表雑誌> Catal. Sci. Technol., 2026,16, 3112-3136
<掲載論文> Tailoring amorphous alumina catalysts with enriched five-coordinated aluminum via pH control
<掲載内容> Outside Front Cover
<URL> https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2026/CY/D5CY01418B
関連リンク
【5月25日、6月1日】ラジオZIP-FM「SUPER CAST」に本谷秀堅教授と研究室所属学生が出演予定
この情報は研究支援課が提供しています。
