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白井研究室の研究成果がRSC Mechanochemistry 誌の「Front Cover」に選ばれました

Research

研究・産学官連携

2026年11月 5日掲載


白井研究室が開発した、ケイ素系ポリマーからサイズを制御したシリコンナノ結晶を高効率に室温合成できる新たなメカノケミカル合成法に関する研究論文「Scalable metal-assisted mechanochemical synthesis of silicon nanocrystals from (HSiO1.5)n polymers」が高く評価され、英国王立化学会が刊行するジャーナル『RSC Mechanochemistry』のFront Cover(表紙)に選ばれました。

シリコンナノ結晶(Si NCs)は、資源として豊富に存在し、毒性が低く、粒子サイズに応じて発光などの光学特性が変化することから、従来の半導体量子ドットに代わる環境にやさしい機能性材料として、バイオイメージング、センサ、太陽電池、次世代光電子デバイスなど幅広い分野での応用が期待されています。しかし、これまでの製造法の多くは高温での熱処理や複雑な装置、危険な試薬を必要とし、サイズを精密に制御した高品質なシリコンナノ結晶を穏やかな条件で大量に製造することは大きな課題となっていました。

本研究では、ボールミルによる機械的エネルギーで化学反応を駆動する「メカノケミストリー」に着目し、ケイ素・酸素・水素からなる水素シルセスキオキサン((HSiO1.5)n)ポリマーに、マグネシウム(Mg)やアルミニウム(Al)などの軽金属を還元剤として加えて粉砕処理する新たな合成手法を開発しました。軽金属の添加により反応経路が大きく変化し、ポリマーのSi-O-Si骨格が直接還元されて、結晶性シリコンが迅速に生成することを見出しました。特にMgはAlに比べて高い還元効率を示し、酸化物の残留が極めて少ないシリコンナノ結晶が得られることを明らかにしました。さらに、原料ポリマーの「かご型構造」と「ネットワーク型構造」の比率を調整することで、粉砕初期におけるシリコン種の拡散を制御し、ナノ結晶のサイズを約13 nmから8 nm未満まで作り分けることに成功しました。また、得られた生成物を化学エッチングすることで、強い可視発光を示す水素終端シリコンナノ結晶を、金属を用いない従来のメカノケミカル法と比べて約3.5倍の収率で得ることにも成功しました。本成果は、サイズ制御されたシリコンナノ結晶をスケーラブルに製造する新たな道筋を示すとともに、金属アシスト型メカノケミカル固相反応の機構に関する新たな知見を与えるものです。高温プロセスを必要としない省エネルギー型の材料製造技術として、次世代光電子材料の開発への貢献が期待されます。

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RSC Mechanochemistry 誌の「Front Cover」

発表雑誌

<掲載論文>  Scalable metal-assisted mechanochemical synthesis of silicon nanocrystals from (HSiO1.5)n polymers
<掲載内容>  Front Cover(Volume 3, Issue 6, November 2026)
<発表雑誌>  RSC Mechanochemistry, 2026, 3, 899-914, DOI: https://doi.org/10.1039/d6mr00049e

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