ACSに掲載した柴田研究室の研究論文が「Supplementary Cover Art」に選ばれました。
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2022年7月29日掲載
ACS(アメリカ化学会)の学術雑誌Organic Lettersに掲載した柴田研究室の論文「Etherification of Fluoroarenes with Alkoxyboronic Acid Pinacol Esters via C-F Bond Cleavage」(著者,Jun Zhou (研究員),Bingyao Jiang(当時,生命・応用化学専攻,博士前期課程2年),Zhengyu Zhao (共同ナノメディシン科学専攻,博士後期課程2年))が高く評価され, Organic Letters誌24巻28号(7月22日掲載)の「Supplementary Cover Art」に選ばれました(図1)。
(図1)
評価を受けた研究論文の内容は以下のようになります。アリールおよびヘテロアリールのフッ化物とアルコキシボロン酸ピナコールエステルとのカリウム塩基を介した脱フルオロエーテル化反応を,遷移金属を用いない条件下で初めて成功しました。この手法は,これまで不可欠であった金属触媒や配位子等を用いることなく,芳香族フッ素化物を効率的かつ安全に多種類のアリールエーテルへと化学変換することが出来ます。この方法により,構造的に複雑なフッ素化合物やβ-エストラジオール,トコフェロールなどの含フッ素生理活性物質から対応するエーテル化合物を選択的に合成することが出来ました(図2)。
(図2)
なお,表紙(図1)は日本画家によるデザインで「月と水と自然」と題した作品です。月を媒介とした無機フッ化物の自然放出により,有機フッ化物が非フッ素化・酸素化分子に移行する様子が表現されています。なお,この研究は,JST, CREST 分解・劣化・安定化の精密材料科学(研究総括: 高原 淳)のご支援のもとで行われました(課題番号JPMJCR21L1)。
<発表雑誌>
雑誌名:Organic Letters
タイトル:Etherification of Fluoroarenes with Alkoxyboronic Acid Pinacol Esters via C-F Bond Cleavage
著者:Jun Zhou, Bingyao Jiang, Zhengyu Zhao, and Norio Shibata
論文情報:DOI: 10.1021/acs.orglett.2c01864
この情報は研究支援課が提供しています。
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