社会工学専攻の島田 壮一郎さん、工学専攻創造工学プログラムの内生蔵 達也さん、増岡 晃大さん、水野 壮一郎さんが令和2年度土木学会中部支部研究発表会優秀講演者賞を受賞しました。
Campus life
学生生活
2021年4月28日掲載
受賞者
社会工学専攻
島田 壮一郎
工学専攻創造工学プログラム
内生蔵 達也
増岡 晃大
水野 壮一郎
受賞名
令和2年度土木学会中部支部研究発表会優秀講演者賞
(土木学会中部支部)
受賞の内容
島田 壮一郎「まちづくり活動への参加意志と対人不安の関係についての分析」
住民参加によるまちづくり活動への参加意志が対人不安と関係しているかを明らかにするために、対人不安と各まちづくり活動への参加意志についてアンケート調査し、まちづくり活動の種類によって対人不安と参加意志の関係を分析することで対人不安の高い人でも参加しやすい活動の形式を明らかにした。その結果、関わりの少ない活動では対人不安と参加意志の関係が弱いことが分かった。
内生蔵 達也「災害リスクと平常時のコストを考慮した最適土地利用モデルの提案と適用」
近年、都市は相次ぐ自然災害や人口減少、インフラ維持管理費用の増大のリスクにさらされている。本研究では、それらのリスクを総合的に見たときに、人々の居住施設、開発地域をどのように配置すればよいかを示すための最適土地利用モデルを開発した。高知県黒潮町を対象として500mメッシュ単位の数値計算をおこなった結果、災害リスクと平常時のコストのトレードオフ構造が明らかになったほか、都市機能をどこに集約すべきか、そのおおよその空間的分布を示すことが出来た。
増岡 晃大「樹木年輪セルロースの酸素同位体比と古文書記録を用いた南西諸島における気候の検討」
奄美大島に生育していた松の大木の樹木年輪セルロースの酸素同位体比記録を用いて、南西諸島周辺における1800年代以降の気候の特性について検討を行いました。奄美の古文書に「春の長雨」の記録がある年の年輪酸素同位体比が特徴的な変動を示していることに着目し、近年の酸素同位体比と相対湿度データの関係を解析することにより、古文書記録や気象観測データが得られない期間について同様の事象が起きた年やその規模を推定しました。
水野 壮一郎「当て板補修部の板幅に着目した荷重伝達機構に関する解析的検討」
鋼構造物の腐食に伴い減肉した鋼材の性能回復をするための補修方法の一つに、当て板補修があります。しかし、当て板補修部の荷重伝達機構については未解明な点が多く設計方法が確立されておりません。本研究室では,板厚及びボルト本数に着目した研究やすべり係数に着目した研究が行われており、当て板補修部では母材に母材断面積率の1割増し程度の荷重が伝達されることがわかっております。本研究では、当て板補修部の板幅の変化が荷重伝達に及ぼす影響を明らかにしました。
図-1 当て板補修施工例
図-2 Mises応力コンター図(板幅140㎜)
今後の抱負
島田 壮一郎さん
今回、このような賞をいただき、大変光栄に思っております。本研究は、研究室で得た経験をもとに発案したもので、研究を進めるにあたっても様々な方にご協力いただいて実行することが出来ました。今後も皆様への感謝の気持ちを忘れず、様々な出会いを大切にし、研究を進めていき恩返しができるようにしたいと思います。
内生蔵 達也さん
この度、優秀講演者賞をいただき、大変嬉しく思います。教授 秀島栄三先生、助教 中居楓子先生、東北大学助教 大窪和明先生には多忙であるにもかかわらず、ご指導をいただきました。この場をおかりして、感謝申し上げます。今後は、災害に強い日本、人々の生活をより安全なものにすべく、研究に励んで参ります。
増岡 晃大さん
今回使用したサンプルには年輪酸素同位体比の未測定期間があるため、まずはその期間についての測定を進め、過去約220年間の連続的な酸素同位体比記録を得たいと考えています。さらに、今後データを増やす中で、今回の発表で対象とした「春の長雨」以外の事象にも同様の手法が適用できないか検討するとともに、本州など周辺地域の年輪酸素同位体比記録とも合わせ、梅雨季などの気候の特徴が長期的にどう変化してきたかを明らかにしていきたいです。
水野 壮一郎さん
この度はこのような賞を頂き、大変光栄に思います。今回の優秀講演賞は、日々ご指導頂いている永田和寿先生をはじめ、研究室のメンバーの方々から協力をいただいてできた成果だと考えています。今後は一層気を引き締めて研究分野の発展に貢献できるように研究に励みたいと思います。
松井 寛 名誉教授が、令和3年春の叙勲を受章しました。 工学専攻社会工学系プログラムの岩尾 駿平さん、社会工学科の伊藤 隆也さん、矢野 稜典さんが令和2年度土木学会中部支部研究発表会優秀講演者賞を受賞しました。